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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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竜騎士07『うみねこのなく頃に Episode1. Legend of the golden witch (上)』

うみねこのなく頃に Episode1(上) (講談社BOX)うみねこのなく頃に Episode1(上) (講談社BOX)
竜騎士07 ともひ

講談社 2009-07-01
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★★★☆☆
…………ベアトリーチェ、魔女か。
1986年10月、伊豆諸島に浮かぶ小さな孤島“六軒島”。年に一度の親族会議のために集まった大富豪“右代宮家”の人々。議題は、余命あとわずかと宣告された当主・金蔵の遺産問題。互いに腹を探り合う大人たちと、無邪気に再会を喜ぶ子供たち…。だが、台風が近づき不吉な暗雲に六軒島が包まれる時、魔女伝説は蘇り、血も凍る惨劇の幕が上がる――。


『うみねこのなく頃に』第1作。
原作は未プレイ、アニメも未見、コミカライズも読んでいないので、今作が初『うみねこ』です。

 右代宮の当主・金蔵がかつて取引をしたという魔女・ベアトリーチェが人外の力で“引き起こした”される惨劇の数々。それらをロジックで人間の犯行であるというレベルにまで落とし、推理で証明してみせる――曰く、「推理をしても解かせる気など全くない。それでも魔女の仕業だと認めずに立ち向かう、あなたを屈服させるために用意した」と、そういうことらしい。
 なので、キャッチコピーは“推理は可能か?不可能か?”

 これ、文章が独創的すぎます。元はノベルゲームなわけですが、パソコンとにらめっこして読むには相当キツいと思う。主人公・戦人の口調は始終テンションが高く、笑い声が「いっひっひ」とか、いちいち「~だぜ」の“だぜ口調”。しつこいというか、いい加減くどい。加えて、真里亞の口癖「うー」も毎々すぎてうんざり(いや、伏線だとしてもね)
疲れる、というのが正直なところ。
 あと、どうしても物申したいのは三点リーダー。三点リーダーは2つ――6点で一単位だからっ!編集者、注意しなさい!

 けれど、この竜騎士07という作者、決して文章力が無いというわけではないと思うんですよね。三人称視点から見たときの文は至って普通だし、戦人も内面でのまじめなセリフ(?)のところではすらりと読める。同人ということで、わざとキャラっぽくしてるんだろうけど、ちょっと辛いかな。

 しかし、物語は面白いです。旧家、遺産相続、孤島、魔女伝説、惨劇、と古野まほろもびっくりな『ノスタルジア』なシチュエーション。なんともミステリファンを唸らせる挑戦じゃないですか。ぼんくらながら、受けて立ちますよ。まぁ詳しい考察は後日に。


 残念なのは「事件」――惨劇が起きずに上巻が終了してしまったこと。昔、西尾維新の『サイコロジカル』という作品がありまして。まあ上巻のいちばん最後のシーンになって、ようやく人が殺されるんですよ。ミステリの上下巻なのに、なんだこの遅さは、と。本作はそれ以上でした。せめて盛り上がったところで→上巻終了という流れにしてほしかったですね。

て、文句が多いように見えますが、実は続きが楽しみで仕方ないです。

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プロフィール

はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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1.トリプルプレイ助悪郎(2007年刊)   2.名探偵に薔薇を(1998年刊)             3.化物語(2006年刊)          4.時砂の王(2007年刊)                  5.天帝の愛でたまう孤島(2007年)

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