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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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ムック『Pen+ 円谷プロの魅力を探る。 ウルトラマン大研究!』

Pen+(ペン・プラス) 円谷プロの魅力を探る。 ウルトラマン大研究!  2012年 4/13号 別冊 [雑誌]Pen+(ペン・プラス) 円谷プロの魅力を探る。 ウルトラマン大研究! 2012年 4/13号 別冊 [雑誌]

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★★★★☆
テレビ草創期、特撮の神様・円谷英二、そして円谷プロのスタッフたちが、いかにして世代を超え、いまも愛される国民的ヒーロー「ウルトラマン」を誕生させたのか? 記憶に残る名作を振り返りつつ、そのクリエイションを分析する。また、桜井浩子、黒部進、森次晃嗣といった初期ウルトラシリーズを支えた俳優たちが、当時体験した苦労話や舞台裏のエピソードを披露。『ウルトラマン』『ウルトラセブン』をはじめ全作品徹底解剖はもちろん、人気怪獣や新作映画『ウルトラマンサーガ』も紹介。この1冊を読めば、円谷プロの魅力と、ウルトラシリーズのすべてがわかる!


 昨年9月の『Pen』で組まれたウルトラマン特集がなかなか評判が良かったらしく、装いも新たに加筆修正を経てムック化。私はなんとなく立ち読みで済ませて買わなかったクチなので、嬉しい誤算でした。雑誌と違ってこうして平綴じのムックになったものを見ると、ウルトラファンとしてはやはり購入してしまいますね。
 基本的には“あまりウルトラマンに詳しくないけれど昔よく観ていた”層をターゲットにした一般向けなため、メインとなる記事は昭和の第一期シリーズを取り上げたものが多いです。また、そこで語られるトピックもコアなファンには周知の事実が殆どであり、特オタとしては食い足りない部分が多々あります。

 ウルトラシリーズ全作品紹介で『ザ☆ウルトラマン』と『ウルトラマンUSA』のアニメ勢、『ウルトラマングレート』や『ウルトラマンパワード』といった海外組、映画作品の『ウルトラマンゼアス』、ビデオシリーズ『ウルトラマンネオス』、深夜放送だった『ウルトラQ dark fantasy』と『ULTRASEVEN X』、外伝として扱われている『ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル』を除外していたのは残念でした。『初代』~『メビウス』で展開されたM78世界の延長線上の未来を描いた『ウルトラギャラクシー』は、ギャラクシークライシスの設定も含めて、昨今のウルトラシリーズを語る上ではとても“番外”では終わらせられない作品です。

 私的な見解では、ここ数年のウルトラシリーズで最も注目すべきポイントは主に3つ。パラレルワールドとマルチバースの導入による複数世界観の統括ウルトラマンと人間の関係性の変化ウルトラマンの神格化と人格化の両立です。
 それらの点に少しでも触れられていたら、ウルトラマンに対する世間の目もかなり変わってくるんじゃないかと期待していたのですが、そう上手くはいかないですね。
 まぁそこまで踏み込んでしまうともはやマニアにしか受けなくなってしまうのはわかるのですが、こういうシリーズ全体を俯瞰したムックだからこそ、やってほしかったのもまた事実。新作映画『ウルトラマンサーガ』の成功に円谷の命運が掛かっている以上、ひとりでも多くの人に『ウルトラマン』がここまで変わってきていることを知ってほしいと思うのが、ファンの性というものです。
 それはともかく。本ムックはレイアウトが美しいのが特徴で、1ページ1ページのつくりがとにかく上品で洒落ています。また、『ウルトラQ』~『ウルトラセブン』までの押さえておきたい部分はこの1冊を読めば充分に事足りるばかりか、紙面の端々からも真摯に取材を行っていることが重々伝わってくる。ウルトラマン特集としては充分に及第点の出来です。
 全ウルトラ戦士のウルトラサインが載っているのもかなり珍しいです。それだけでも購入する価値アリではないでしょうか。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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1.トリプルプレイ助悪郎(2007年刊)   2.名探偵に薔薇を(1998年刊)             3.化物語(2006年刊)          4.時砂の王(2007年刊)                  5.天帝の愛でたまう孤島(2007年)

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