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マンガ総評:叶恭弘『鏡の国の針栖川』

鏡の国の針栖川 1 (ジャンプコミックス)鏡の国の針栖川 1 (ジャンプコミックス)
叶 恭弘

集英社 2012-01-04
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★★★☆☆
子供の時に命を救った里見真桜に告白もせず、友人関係を保つ高校生の針栖川哲。そんなある日、再び真桜を事故から救うのだが、気付くとそこは真桜の持つ鏡の中で……。こうして二人の秘密の鏡生活が始まった!! 全3巻。


 叶恭弘の作品は『プリティフェイス』と『エム×ゼロ』の両方を持っていて、好きなマンガ家のひとりです。叶恭弘『エム×ゼロ』、江尻立真『P2!』、河下水希『初恋限定。』が同時に連載されていた時期は、私の中の『ジャンプ』最盛期であり、この3本が打ち切られたときには本気で『ジャンプ』は終わったと思いました。
 で、その叶恭弘久々の新連載『鏡の国の針栖川』だったわけですが、やはり敵は人気アンケートによる打ち切り制度だったと言わざるを得ません。
 叶ラブコメの面白さはもはや折り紙付きで、鏡の中と外という秘密の同居ものラブコメの変則パターンと、真桜と松川、針巣川の三角関係の組み合わせは非常に盛り上がります。しかし、ここからさらにサブキャラも絡めていこうといったところで、ラブミラーの両想い成立→恋愛感情喪失設定の登場ですよ。これが一種のデウス・エクス・マキナ的な役割を担って松川の恋愛感情が消えてしまった時点で、この作品の落としどころが「俺たちの恋愛はこれからだ!」エンド以外にありえなくなってしまったんですね。

 それどころか、この行為によって読者がここまで作品を読んで築き上げてきた共感とラブコメの高揚感を、冷や水をぶっ掛けたかのように一瞬で消し去ってしまった。針栖川と松川の関係にやきもきさせられた立場からしてみると、鏡の呪いが解けて針栖川に何の興味も示さなくなった松川の態度は堪ったものじゃないですよ。文字どおり、すべてをなかったことにされたのですから、これで萎えるなという方がムリな話です。
 まぁラブコメで二股展開もアレっちゃアレですけど、男子高校生的には告白されたら意識せざるを得ないだろうし、そこらへんは可ではあります。
 とはいえ、これって明らかに初期プロットにはなかったであろう力技ですよね。『ジャンプ』読者に派手なバトルもエロもないラブコメの受けが悪いことはわっかていたけれど、それにしたってあんまりな終わり方です。最終話における男子キャラの唐突な事後処理を見るに、まだまだ描きたいエピソードがあったんだろうなぁ、と思ってしまいます。

ううむ、次こそは中途半端に終わらない内容でお願いしたい。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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1.トリプルプレイ助悪郎(2007年刊)   2.名探偵に薔薇を(1998年刊)             3.化物語(2006年刊)          4.時砂の王(2007年刊)                  5.天帝の愛でたまう孤島(2007年)

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