2012.02/13 [Mon]
ジュード・ワトソン『スター・ウォーズ ジェダイ・クエスト(4) ダークサイドの誘惑』
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★★★☆☆
その質問自体が問題だ。そこが間違っている。おまえは自分がなにをしたのかわかっていない。
自分の怒りを感じないか? アナキン、怒りが戦いの原動力になっていたことがわからないのか?
内戦の続く惑星ハリデンへ科学者の救出に向かったアナキン・スカイウォーカーは、ジェダイに攻撃を仕掛けるハリデン軍との戦闘中のミスで、修行生仲間のダラ・テル=タニスに傷を負わせてしまう。責任を感じるアナキンを置いて、オビ=ワン・ケノービとソアラ・アンタナは偵察へとでかけるが、そこで出会ったハリデン軍の隊長に、クレジットをもらってジェダイを攻撃したと聞かされる。クレジットを渡したのは、惑星ラグーン6でアナキンとオビ=ワンの命をねらった謎の男、グランタ・オメガだった! なぜオメガは、ジェダイを狙うのだろうか。
「ジェダイ・クエスト」第4作。
シリーズを通じての敵役となるグランタ・オメガの正体や、そのキャラクター性が大きく掘り下げられた巻でした。以前に出てきた“空虚(ヴォイド)”の他にも“シス信者(カルト)”というのは聞き慣れない単語でしたね。直接的にフォースを操れはしないけれど偉大なるシスの力に傾倒し、信奉する存在である、と。
シスと接触し、認めて貰うための手土産としてジェダイを追け狙うというなんとも傍迷惑な輩です。しかしまぁ、政治と宗教を根底にしている「スター・ウォーズ」らしい設定ではあります。
そして、われらがアナキン・スカイウォーカーはというと、グランタ・オメガと接するうちに段々と彼の魅力に囚われていきます。ただし、今回はお馴染みの闇堕ち的なものではなく、あくまでもオメガの人格部分に惹かれているのがポイントでしょうか。
作中でオビ=ワンが悪人の持つカリスマ性について説いていますが、「SW」銀河では実際に絶大なるリーダーシップを誇る元老院議長パルパティーンへの権力の集約が帝国を生むことに繋がっているわけですから、これはかなり重要なテーマだったりします。オビ=ワンの訓戒も空しく、数年後にはいとも簡単にパルパティーンに籠絡されてしまうあたり、アニーらしいっちゃらしいですが……。
しかもマスター・ソアラの個別訓練では精神面で完膚無きまでにダメ出しされているし。
今回はアナキンが同窓生のダラに怪我を負わせてしまい、色々とやりとるうちにちょっと良い雰囲気になったりしたにも関わらず、旧共和国のジェダイたちは恋愛禁止なため、結局そちらの方向で話が膨らむことなく終わってしまいました。新三部作時代の禁欲主義はストーリーを盛り上げる上ではちょっと足枷になっている気がするなぁ、と思ったり。
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