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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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ライダー・ウィンダム『スター・ウォーズ オビ=ワン・ケノービの伝説』

スター・ウォーズ オビ=ワン・ケノービの伝説 (LUCAS BOOKS)スター・ウォーズ オビ=ワン・ケノービの伝説 (LUCAS BOOKS)
ライダー ウィンダム Ryder Windham

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★★★☆☆
予言を成就したからだ。きみは……選ばれし者なのだ
べスピンでダース・ヴェイダーと対決したあと、タトゥイーンに戻ったルークはオビ=ワン・ケノービが残した日記を見つけた。13歳でクワイ=ガン・ジンのパダワンとなり、20代でマスターと死別し、「選ばれし者」と予言された少年アナキンの師となったオビ=ワン。やがてクローン大戦が勃発、師弟は激戦に身を投じ、絆を強くするが、シスの策略により、アナキンは失われ、ダース・ヴェイダーが生まれる――。
苦難に満ちたオビ=ワンの生涯。


『スター・ウォーズ ダース・ヴェイダー 光と影』の姉妹編であり、対を成すマルチアングル小説。
 EP5『帝国の逆襲』の後、アナキンの視点で過去を振り返ったのが『スター・ウォーズ ダース・ヴェイダー 光と影』で、同じくEP5の後、ルークがオビ=ワンの日記を読むカタチでオビ=ワン視点から一連の出来事を眺めたのが本作。
 そんなわけで、EP4~6のノベライズ描写が目立つのも事実で全体にダイジェストというか総集編的な内容。しかし、そこはオビ=ワン視点。そこは小説。新しい発見はそんなところに隠れています。

 さて、ここで全国のオビ=ワン ファンの皆様に謝罪をしなければなりません。以前、クローン・ウォーズの「消えたドロイド」の回の感想で、オビ=ワンがEP4で再会したR2に気付かなかった理由を“R2-D2をR2-D2として認識すらしていなかった”という仮説を立てましたが、今回オビ=ワン視点でEP4の問題のシーンが描かれたことで、その仮説と疑問は氷解しました。
 オビ=ワンはルークが連れたR2ユニットを見てすぐさま「“あのR2”にそっくりだぞ」と喜び、ルークのセリフ(R2が所有者はオビ=ワンだと言い張る旨)を聞いて、あのR2-D2と確信しました。また、相方のC-3POが一緒なことにも大層驚いていました。
 では何故それを口に出さなかったのか?答えは簡単。ルークを必要以上の危険に晒さない為。レイアがルークの妹であることを隠していたことと何ら変わりません。全てを明かす――まだ、その時期ではなかった。ただそれだけの話です。

 加えて、ヴェイダーとの決戦のシーンでは、時間稼ぎのためにわざと殺されるという手段をとったことも明かされます。
 EP3小説版のコマンダー・コーディといい、今回のオビ=ワンといい、これらは映像で見ていただけでは決してわからない、小説だからこそ明かされる事実と真実。これだからSW小説はやめられない。

 そして本作最大の見せ場は終盤、オビ=ワンが自分の“過ち”――アナキンを取り戻したルークと自分との決定的な違いに気付くシーン。そして霊体となったふたりが互いに許し合い、かつての関係を取り戻す場面。そう、クローン大戦時代のあの頃のように。映画では霊体のヨーダ、オビ=ワン、アナキンが並んで見守るシーンがありますが、その裏にはそんなことがあったわけなんですね。これは感動する。

そして、時代はニュー・ジェダイ・オーダーへと移っていくわけです。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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1.トリプルプレイ助悪郎(2007年刊)   2.名探偵に薔薇を(1998年刊)             3.化物語(2006年刊)          4.時砂の王(2007年刊)                  5.天帝の愛でたまう孤島(2007年)

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