2012.01/30 [Mon]
ジュード・ワトソン『スター・ウォーズ ジェダイ・クエスト(3) 危険なゲーム』
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★★★☆☆
やっとわかった、おまえ、あの奴隷の小僧だな。その顔に機械油がついていればすぐにわかったんだ
銀河競技会の警備をするために惑星ユーセロンにやってきたアナキン・スカイウォーカーは、非合法のポッドレースが行われると聞きつけ、師のオビ=ワン・ケノービにはないしょでレース場に足を運ぶ。そこで知りあったのは、タトゥイーンのレースでともに戦ったラッツ・タイレルの息子であるディーランドとドビーだ。彼らの妹・ジャラが、アナキンのかつての宿敵セブルバの奴隷となっていることを知って助けたいと思うが……。ポッドレースにしかけられた罠に、アナキンはどう立ち向かうのか。
「ジェダイ・クエスト」第3作。
お調子者パダワン・アニーがまたも厄介ごとに首を突っ込む「ジェダイ・クエスト」シリーズ。なんとかして違法ポッドレースを覗いてみたくて、あれやこれやと言葉を並べては自らの行為を正当化しようとするアナキンに読者もオビ=ワンもストレスを感じっぱなしです。
さらに今巻では、これまで度々言及されてきたデクスターの店の前の持ち主ディディとアストリの親子が登場するのですが、このディディというやつがまたとんでもない小悪党で。競技委員会の横暴で融通の利かない対応も加わって、オビ=ワンは常にぴりぴりイライラ。あのオビ=ワン・ケノービがここまで怒っている作品もそうそう見られません。最初から最後までとにかくブチ切れモードでした。
本作のトピックはなんといってもセブルバとアナキンの再対決。『EP1』のポッドレース終了後にクワイ=ガンによって売り払われたアナキンのポッドレーサーが、なんとセブルバJr.のものになっていたことが明かされ、事実上『EP1』の後日談といって良い作品になっています。
ユーセロンのレースには、それ以外にもブーンタ・イヴ・クラシックでアナキンと争ったレーサーが何人か登場し、『タトゥイーン・ゴースト』や『ルーク・スカイウォーカー伝』でレイアやルークにアナキン少年の勇姿を語ったオディ・マンドレルの姿もありました。
ただ、ガスガノあたりはわかるとはいえ、肝心のラッツ・タイレルがどんな人物なのかまったく思い浮かばず、ついつい『EP1』のパンフレットを紐解いて調べてしまいました。ある意味、読む側の「SW」知識を試されているかのような本です。さすがに脇役すぎる!
それにしても後味がかなりビターな作品でした。ジュニアノベルなのにここまでシビアで良いの?と心配になるほどです。任務的には成功したけれど、アナキンとオビ=ワンの心境を考えると鬱々としてきます。
唯一の息抜きは、意外とミーハーでテンションの高いマダム・ジョカスタ・ヌーが見られることくらいですね。
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