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ドラマ総評:『琉神マブヤー』

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★★★☆☆
陶芸見習いの青年カナイは平凡な22歳。ある日マブイグミ(魂を込めなおすこと)によっての魂を宿したことで、ヒーロー・マブヤーとして沖縄を守ることになる。
沖縄人の大切な魂(マブイ)を奪って人々を混乱に陥れようと企むマジムン軍団ハブデービルたちとマブヤーの戦いが始まった……。全13話。


「琉神マブヤー」第1作。
 秋田県の『超神ネイガー』以降、日本各地でローカルヒーローブームが巻き起こり、近年地方各局にて地元密着型のヒーロー番組が次々製作されています。『HYPER HOBBY』などの特撮関連雑誌でも結構ページを割かれて紹介されていることもあり、ローカルヒーローはもはや単なるご当地キャラに留まりません。
 その中でも特に注目を集めているのが沖縄発の『琉神マブヤー』です。沖縄での大ヒットを受けて新聞や各種メディアで紹介されるわ、映画化されるわでその知名度は既に全国区。DVDレンタルどころかTOKYO MX で放送されるところまでやってきました。

――というわけで。
 特オタとしては、これは観なければなるまいと見始めたわけですが、とにかくゆるい。ゆる特撮です。アトラク臭丸出しの敵幹部に常にのほほん牧歌的でコメディ中心なストーリー。敵方・マジムンの悪行にしたって沖縄弁で喋るし、悪行といってもウチナーグチ(沖縄の方言)を奪ったり伝統芸能エイサーの踊り方を忘れさせる程度です。
 しかし、こののんびりとした空気感が実に沖縄的で、作中の重要アイテムであるマブイストーンが司っているもののひとつテーゲー(お気楽さ)のまさしく体現になっている。低予算だったりチープだったりという本来であれば弱点に成り得る部分が、そのまま作品のテーマに直結し、結果としてすごく良い方向に作用しているのです。

 ケンなんて普通に見れば全身タイツで犬の恰好をした怪しいオヤジなのに、それが出オチにならずに叶を導く師であり、友として作品に欠かせない“真面目な意味での”存在感を持っている。何の不自然さもなくこれが出来てしまうところが『琉神マブヤー』の素晴らしさでしょう。
 シーサーの意匠を落とし込んだマブヤーのデザインもなかなかカッコ良く、指笛を吹いて火球を起し相手に投げつけるティーダ・ヤーチューなど、必殺技にもオリジナリティがあります。特撮ヒーローは既存のキャラクターがあまりにも多いため、必殺技で個性を出すのは意外と難しいと思うのですけど、そういったところも充分にクリアして既存作品の劣化コピーにならない独自色を打ち出すことに成功している。
 子供向けローカル番組だと思ってナメちゃあいけません。観終わった頃には「ウチナーがあぶない でーじ超ヤバイ~♪」と口遊んでいることでしょう。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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1.トリプルプレイ助悪郎(2007年刊)   2.名探偵に薔薇を(1998年刊)             3.化物語(2006年刊)          4.時砂の王(2007年刊)                  5.天帝の愛でたまう孤島(2007年)

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