2012.01/15 [Sun]
ジュード・ワトソン『スター・ウォーズ ジェダイ・クエスト(2) 師弟のきずな』
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★★★★☆
アナキン・スカイウォーカーとオビ=ワン・ケノービは、訓練任務のために惑星ラグーン6へ向かう。この訓練をとおして師弟間のきずなを強めるのが目的だが、アナキンにとって、ひとつの任務をこなすたびにオビ=ワンとのきずなは強まっていると思っていたこともあり、今回の訓練は理解できないでいる。けれど、気軽な訓練だったはずが、次々に遭遇する危険に、いつしかふたりは恐ろしい事態に巻きこまれていき――。
「ジェダイ・クエスト」第2作。
『EP1』と『EP2』との間を埋めるジュニア・ノベル シリーズ「ジェダイ・クエスト」の2作目です。かつて自分とクワイ=ガンも行ったマスターとパダワンとの絆を深めるサバイバル修行への参加をジェダイ聖堂に申し出たオビ=ワン。その大元には、クワイ=ガンが自分にしてくれたようにアナキンをきちんと導けているのだろうか、というオビ=ワンの師としての悩みがありました。
一方、アナキンはアナキンでオビ=ワンが自らの考えを進んで話してくれないことに落胆を覚え、自分は弟子として信頼されていないと不安感を募らせる。
互いに善き師、善き弟子であろうとし、師弟の絆を深めていきたいと考えているのにふたりの仲はすれ違ってばかり。まるで恋愛関係です。私は男なのでそういう見方での愉しみ方はまずもってありえませんけれど、思わずこれは腐女子の方々大歓喜だろうなー、などと考えてしまいます。
『EP3』あたりを観ていてもわかるようにアナキンってかなり愛想深い性格で、結構ヤンデレ気質なところがあるんですよね。『ローグ・プラネット』ではオビ=ワンというマスターを心から尊敬し、愛しているからこそ、どこまでオビ=ワンに愛されているのか常に試したくなる、とか言っちゃっていますし。
本作でもアナキンは、クワイ=ガンとの思い出を話して聞かせるオビ=ワンに対して嫉妬の心を燃やしています。そして、そんなアニーが常々気にしているのが、オビ=ワンが自分を選んだのは敬愛するマスター・クワイ=ガンの最期の頼みだったからに過ぎないんじゃないか、という問題。
実際のところ、いま現在がどうであれ最初はそうだったことが確かなだけに、なかなか一筋縄ではいかない悩みごとです。今巻においても、すぐにふたりが抜群のコンビネーションに至るような展開にはなりません。あくまでも一歩、前に進むだけ。
映画で見られるような息ぴったりの仲良し師弟が生まれるまでには、長い時間の積み重ねがあったのです。
著者のジュード・ワトソンがオビ=ワンの修行生時代を描いた「ジェダイ・アプレンティス」を手掛けていたこともあって、作中にはクワイ=ガンとオビ=ワンの過去話もふんだんに登場します。今後恐らく日本で訳されることはないだろうシリーズなだけに、日本のSWファンには嬉しいエピソードが満載です。
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