2012.01/10 [Tue]
映画『スカイライン -征服-』
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★★☆☆☆
しっかりしろ、現実を見つめろ。逃げるな。
ロサンゼルスに住む親友の元を訪ねていたジャロッドとエレインは、早朝、最上階の部屋のブラインドから差しこむ青白い光と不気味な音で目を覚ました。そして、その光を見に来た友人のひとりが光の中に姿を消してしまう。さらに窓の外ではたくさんの巨大な飛行物体が空を埋め尽くし、人間たちを次々と掬いあげていた。そんな信じられない光景を目の当たりにして、彼らは唖然と立ち尽くすしかなかった……。
(2010年 アメリカ)
これも、昨日レビューを書いた『モンスターズ/地球外生命体』と同じく“一市民から見たSF”映画。不評なのは重々承知していたのですが、それでもどうしても観たくて借りてきてしまいました。
いや、実際に途中までは悪くなかったんです。「そこには、愛も英雄も存在しない」のキャッチコピーどおり、主要登場人物はエイリアンの侵略から逃げ惑うだけの一般人。ヒーローでもヒロインでもない普通の人なので、特にカッコ良かったり、美人だったりということもありません。
ある晩、何の前触れもなく侵略を開始した謎のエイリアンは地上から人間たちを根こそぎ攫おうとする。超高層高級マンションで友人の誕生パーティーに参加していたジャロッドらは、その第一波からなんとか逃げおおせたものの外は侵略者でいっぱい。一度は自動車でマンションから出ようとしたが、敵方の絶対的な力を身を持って実感し、助けが来るまでマンション内に籠城することを決めます。
電話も通じずテレビを付けても何も放送されないで状況が掴めずにいる中、やがて電気と水道が止まってしまってもエイリアンの猛攻は一向に止むことがない。挙句の果てに、軍が全力を尽くしたミサイル攻撃も命中したところで火に油。何ら手応えが得られないまま、このままマンションに残るか再び外に出るのかで生存者たちの意見は割れます。
基本的に待ちの姿勢でとにかく籠城作戦を決め込むという発想は実にモブキャラらしく、従来のパニック映画とは異なる切り口ではありました。それはそれで良かったと思います。
決定的に悪かったのは終盤~ラストに掛けての超展開です。エイリアンをとにかく殴りまくって力技で押し切るあたりから『フィースト3』と同じ匂いが漂い始め、最後の最後で「ゑ?」となります。いや、これはパニック映画によくある「倒したと思ったら実は~」の逆パターンではあるのですけど、それにしたって観客を説得できるだけの理屈が伴っていない。
だって、この主人公は別に特別な存在じゃないでしょうに。捕獲された人間はみんなあの光を食らっているハズなのに、なんでジャロッドだけ特別な能力が目覚めちゃっているのさ? そんなハイリスクな電波を平気で使ってくるような頭の悪いエイリアンに地球は滅ぼされてしまったのか……。
おまけに他の人間から抜き取られた脳はすべて青色なのに、ジャロッドの脳だけ何故か赤色なんですよ。何なの、この冗談みたいなバカっぽさは。
それと、このくだり確か別の作品で見たようなと既視感を覚えるシーンがあまりにも多すぎる。最初の20分からして丸まんま『クローバーフィールド/HAKAISHA』じゃないですか。コンセプトの時点で拝借しているんだからせめて完成品が別物になるように努力しようよ。
主人公が登場キャラのうち最も自己中で愚か者なところもまずかった。マンションの管理人の方がよっぽど主役級です。いくら「低予算なのに大作級のCG!」とか主張しても内容がこれじゃあね。マイロェ……。
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