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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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高里椎奈『太陽と異端者 フェンネル大陸 真勇伝』

太陽と異端者 フェンネル大陸 真勇伝 (講談社ノベルス)太陽と異端者 フェンネル大陸 真勇伝 (講談社ノベルス)
高里 椎奈

講談社 2008-12-05
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★★★★☆
命の恩人・イーターの強い誘いで人間が恐れる生物・悪鬼が棲むという南海の孤島へ向かった少女・フェン。海賊と嵐に襲われた船旅の末、辿り着いたのは「人喰いの島」と呼ばれる不吉な場所だった! そしてその名を裏付けるが如く仲間が消失する!?


「フェンネル大陸 真勇伝」第2作。
 『孤狼と月』から始まった「フェンネル大陸」も通算で9冊目。シリーズ全体で見れば後半戦に突入し、「真勇伝」第2作にして早くもクライマックスへの布石が打たれます。
 今巻でフェンたちが訪れることになったのは南方にあるグールの国・フィー・バーフュー。その存在を知ったときから、いつかはテオを連れて行きたいと思っていたフェンですが、辿り着いたその国はとてつもなく過酷な環境で、グールの暮らす国でありながら隣国の人間にその存在を常に脅かされる、想像していた世界とはまったく異なる現実が待っていました。

 グールの国が舞台ということでこれまで殆どなかったテオ視点も入ってきます。テオから見てフェンとはいったい何なのか。ここまで付き合ってきた読者の最大の関心事が語られることになり、意地の張り合いに近かった両者の歪な依存関係がようやっと融解するのが本作です。フェンとテオ、一見してふたりの関係性は何ら変わりのないように思えますが、フィー・バーフューを経る前と後とではその間に通っている感情が確実に違っているハズです。
 半ば予想していた内容とはいえフェンの秘密も少しずつ紐解かれ、物語はいっきに佳境へと向かっていきます。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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