2009.06/30 [Tue]
西尾維新『栄光の仕様』
〈戯言シリーズ〉限定コンプリートBOX ([BOX商品]) 西尾 維新 竹 講談社 2006-09 売り上げランキング : 300731 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★★☆
作者なんて、どうでもいいもん
人生初めてのアルバイトを書店員に決めた高校生・地這なことが出会ったのは、奇妙な本の買い方をするお客の中学生、富山たあと。シリーズを最新刊から順に1巻ずつ遡って買い、あろうことか推理小説を下巻から先に購入するたあとちゃん。その真意とは――?
『なこと写本』シリーズ 第3作にして初単行本(豆本だけど)
戯言シリーズ限定コンプリBOXのおまけである書下ろし小説の感想です。一応、断っておくと☆はあくまでも『栄光の仕様』の評価であって、戯言シリーズ限定コンプリBOXの評価ではないですよ。BOXセットはぼったくり甚だしいので。
さて。「本」にまつわる奇妙な出来事を、「なこと」の名を持つ主人公(作品によってそれぞれ別人)が体験する『なこと写本』。今回は“読書の仕方”です。
これがもう、地這なことさんにはシンパシー感じっぱなしというか、「あなたは私?」というくらいわかるんですよね。彼女の考え方。あとがきを先に読んでから本編に入ったり、シリーズものは一作目から読まないと気が済まなかったり、本が好きだから書店でアルバイトとか。
一方でたあとちゃんの考え方もわかるっちゃあわかります。自分は“作品”そのものを読んでいるんだから、作者について語るのは論外だし、読み方だって自由。最後の方から読みたきゃ読んだって良いじゃない、と。前者は、自分がいわゆる“文学小説”に対して日々抱いている感情そのものだし、後者も『スター・ウォーズ』の小説を読み始めると「最後どうなるのかな~」とか思ってちょっと結末を見ちゃったりもします(さすがにミステリではしないですけど)
まぁ結局は、読書の仕方は千差万別、十人十色。みんなちがってみんないい(by.金子みすゞ)ということなんですよね。
うん。これは良い本でした。一般に流通しない代物なのが残念な限りですけど。
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