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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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高里椎奈『草原の勇者 フェンネル大陸 真勇伝』

草原の勇者 フェンネル大陸 真勇伝 (講談社ノベルス)草原の勇者 フェンネル大陸 真勇伝 (講談社ノベルス)
高里 椎奈

講談社 2008-01-11
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★★★☆☆
どうしてサチが嬉しくなくてはいけないの?
――私が行きたいから行くの。邪魔しないで

国王の悪政が人を石に変える呪いを呼び、民衆が死の恐怖にあえぐ国リムナンテス。旅の途中の少女フェンと、テオ、サチは誘拐されるが如く強制的に傭兵として雇われ、混乱した国を正す革命の戦いに身を置くが、その敵は思いも寄らぬ者たちであった! 祖国を追われた元王女フェンの新たな物語。


「フェンネル大陸 真勇伝」第1作。
 新章突入。西方大陸でのシスタス侵攻を鎮めて再び旅路に就いたフェン。気になる旅の随行者はテオとサチの最初期メンバーふたりです。しかしサチが謎の人物に雇われ、フェンたちと離れてリムナンテスに向かうことに。そのことを知ったフェンは彼を追ってテオと共に自らも傭兵となるをことを決めます。
 これまでのフェンの行動と大きく異なっているのが、フェン個人がサチという人物に執着を見せているところでしょう。自分のことは二の次で常に他人のために動いてきたフェンが、サチと一緒にいたい、サチの役に立ちたいと強く主張するあたり、彼女にも人並みの欲が芽生えてきた証拠です。実の兄に裏切られ、心に傷を負ったままで生きてきた空っぽのフェンにようやっと人間性が戻ってきたといった感じがしますね。

 今巻の舞台となるリムナンテスは革命が法律で認められている国。圧政を強いる王に民たちは怒り、王座を奪取しようとするのですが、本作でフェンたちに与えられた立場がなんと悪王側の斬り込み隊。基本的に立場の弱い者たちが結束して強大な敵に挑むのを手助けしてきたフェンが、圧倒的優位でありながら自らの意思と反する道の中に身を置いたとき、果たしてどう行動するのかが見どころです。まあ、結局はどこにいてもフェンはフェンであり、フェンでしかなかったりするのですが。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

当ブログはリンクフリーです。
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1.トリプルプレイ助悪郎(2007年刊)   2.名探偵に薔薇を(1998年刊)             3.化物語(2006年刊)          4.時砂の王(2007年刊)                  5.天帝の愛でたまう孤島(2007年)

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