2011.12/24 [Sat]
ドラマ総評:『ランナウェイ~愛する君のために』
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★★★★☆
“ある事件”がきっかけで九州北刑務所に収監された葛城アタルは恋人の由紀からの連絡で、彼女との間に生まれた娘が重い心臓病に侵されたと知り、脱走を決意する。そして、ひょんなことから河島龍之介・滝本空哉・加賀美瞬の3人の仲間が脱走計画に加わることに。彼らは理由や経緯は異なるものの、実は全員無実。4人にはそれぞれ退所時期を待つことが出来ない理由があり、その想いから一刻も早くこの“檻”から脱出しなければならなかったのだ。福岡県警の鬼塚に追われる中、彼らは逃げ込んだ民家で親から虐待を受けている少女・サクラと出会う。一方、5年前にアタルの事件を担当していた定年退職の元刑事・柳川が疑念を抱き、再び捜査を開始する。それぞれの目的を成し遂げるために、北九州から1,000キロも離れた東京を目指す旅が始まる……。全9話。
面白かった。脱獄ものといっても『プリズン・ブレイク』のような作品が日本で作れるわけもなく、そこは日本人お得意の愛情と友情と人情を中心に据えた1話完結スタイルにしたことで上手く差別化できていました。最初は居合わせただけだった脱獄囚たちは時に裏切り、衝突し、最終的にサクラを含めた5人は掛け替えのない仲間になっていく。ベタながらこれが良い! 特に後半戦の、仲間のために不利な立場も顧みずに動く彼らの姿には完全にやられます。熱い! 熱いよ!! やっぱり市原くんにはこういう役がぴったりだわ。
九州から東京を目指して徐々に北上していくロードムービーということでスケール感も充分。展開もスリリングでサスペンス部分も頑張っています。
感心したのは現代日本での脱獄劇としてツイッター等のネットツールが用いられていること。脱獄犯がツイッター実況なんて馬鹿さ加減にも程がある、と最初の頃こそは思っていましたが、これが逃亡の上で思いの外役に立っている。発信源を悟られたケータイを無関係の車に載せて陽動作戦というのはよく目にするパターンですけど、Twitterを通して無実を訴え、それが世論を動かしたり「datsugoku4」のフォロワーが行く先々で逃亡者となったアタルたちの手助けをしてくれるといった使い方はこれまでになかったものではないでしょうか。
サクラが福岡に戻され、脱獄囚全員が捕まった後でPANDAさんが打った一手もいかにもイマドキかつ効果的でそのリアクションと結果に対しても説得力があります。決して爽快なだけではないほろ苦さが残る各人の行く末も、安易なハッピーエンドで終わらせないというスタッフの気概が見えました。
実を言うと8話の立て籠もり→脱走のくだりとか涙腺が結構危うかったんだ……。犯人は動機含めて行動すべてがクソでしたけどね!
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