積読本は積読け!!

300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

Entries

グレッグ・ベア『スター・ウォーズ ローグ・プラネット』

スター・ウォーズ―ローグ・プラネット (Lucas books)スター・ウォーズ―ローグ・プラネット (Lucas books)
グレッグ ベア Greg Bear

ソニーマガジンズ 2000-06
売り上げランキング : 358925

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

★★★☆☆
そういう問題じゃないよ。あんなふうに解き放ったりしちゃいけなかったんだ。
ぼくがやったことは全部まちがいだった

ナブーの戦いから3年、アナキン・スカイウォーカーはオビ=ワン・ケノービの弟子としてジェダイの教育を受けていた。ひとりの女性ジェダイの行方不明の報せに、オビ=ワンとアナキンは未知なる惑星におもむく命を受けるが、そこで彼らを待ち受けていたものは……。


 映画『EP1』と『EP2』を繋ぐブリッジノベルで数あるSWスピンオフ小説の中でも最も重要とされている一冊です。本作でアナキンたちが行方を追う女性ジェダイのヴァーゲアは後にジェイセン・ソロの師となる人物。そのヴァーゲアが自分の身柄と引き換えに退けた別銀河からの侵略者=ファー・アウトサイダーこそが「ニュー・ジェダイ・オーダー」で敵として登場するユージャン・ヴォングであり、『再会』ではゾナマ・セコートに降り立ったルークたちが実際に本作で起きた事件の話を住民たちから聞くシーンがあります。
 ウィルハフ・ターキンとレイス・サイナーによるデス・スター建造計画の一歩目が描かれるのも本書なら、アナキンが初めてダークサイドに足を突っ込むのもこの作品。とにかく最初から最後まで、これでもかというほどにトピックが詰め込まれています。
 これを読む限りではアナキンが暗黒面に堕ちるというよりも、彼が抱える得体のしれない暗黒面がアナキンを乗っ取ってくるといった方が近いように感じます。アナキン自身は踏み留まろうと一生懸命だったのに、自分でも制御できない力が溢れるようにして彼を蹂躙していく。映画で見られたような単に怒りに任せて嫉妬に狂って、とは違った表現でアナキンがいかに“特別”だったかがよくわかります。

 また、本書では「スター・ウォーズ」=神話のコンセプトがより色濃く出ていて、この物語自体が「生きた宇宙船を作り出す、命と意思を持った伝説の惑星」を語り継いだ伝承話としての体裁になっているのも面白いです。終章でその後の出来事についてダイジェストで触れていくあたりも、いかにもそれっぽい。吟遊詩人が弾き語りそうな壮大な昔話、ファンタジーになっているんですね。
 キャラクター面ではヴァーゲアの元マスター、スレイシア・チョ・リームのインパクトが絶大です。ヨーダに対して“木の切り株にでかい耳をつけたようなあの年寄り”呼ばわりですからね。半端ない。メイス・ウィンドゥに結婚もしたことがないのに子供の気持ちがわかるわけがないなんて言えるジェダイ・マスターは他にいないでしょう。
 マスター・ウィンドゥといえばジェダイ全員の中でジョークに対する反応が最も速いという記述があって目を疑いました。あの堅物のメイスがですよ? さすがにそれはないだろw
 それからこの作品でアナキンとターキンが殆ど仇敵のような立場で初接触を果たしているのですが、『クローン・ウォーズ』3rd season ではすっかり無かったことのように扱われていました。『CW』の設定無視はいまに始まったことじゃないですけど、いくらスピンオフはルーカスの管轄外とはいってもルーカスフィルムはもうちょっと整合性を図る配慮をしとけよ!


スポンサーサイト

Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

ご案内

プロフィール

はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

当ブログはリンクフリーです。
お気軽にどうぞ。

カレンダー

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

ただいまの積読本

現在:456冊                        目指すは未踏の500冊! 最新の15冊を表示。                 冊数をクリックするとすべての積読本を見られます。

ブログ内検索

作家別作品アーカイブ

過去の読書記録はこちらから。 作家名が五十音順に、それぞれシリーズごとに見られます。

評価について

★☆☆☆☆ 破り捨てたい衝動に ★★☆☆☆ うーん。これはびみょ(ry       ★★★☆☆ 普通に面白いです ★★★★☆ 一読の価値アリ ★★★★★ 殿堂入り                ★×4以上は自信を持ってオススメ  ★×5はとりあえず読んでほしい傑作

2014年のベスト5

2014年に読んだ小説の       (暫定)ベスト5はこれ!!

2012年のベスト5

2012年に読んだ小説の        ベスト5はこれ!!

2011年のベスト5

2011年に読んだ小説の          ベスト5はこれ!!

1.トリプルプレイ助悪郎(2007年刊)   2.名探偵に薔薇を(1998年刊)             3.化物語(2006年刊)          4.時砂の王(2007年刊)                  5.天帝の愛でたまう孤島(2007年)

最近の記事

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

アソシエイト

アクセス解析