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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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映画『仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦 MEGA MAX』

仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ& OOO(オーズ) MOVIE大戦 MEGA MAX【Blu-ray】仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ& OOO(オーズ) MOVIE大戦 MEGA MAX【Blu-ray】

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★★★★☆
彼女キターーーーーーッ!!
世界中に宇宙からの隕石群が落下する。その隕石には、謎の物質・SOLUが付着していた。恐るべきプロジェクトを進めている財団Xと7人ライダーが、その物質をめぐり激しい争奪戦を繰り広げるが、SOLUは財団Xの手に落てしまう。さらに隕石によって時空が歪み、40年後の世界から未来のコアメダルを持った仮面ライダーポセイドンがやって来る。ポセイドンは何より戦いを好み、この時代のライダーであるオーズとバースを倒そうとしていた。一方、天ノ川学園高校では文化祭の真っ最中。そこへ突然、空から可憐な女子高生・美咲撫子が降ってくる。仮面ライダーフォーゼ・如月弦太朗は彼女に一目惚れするが、撫子はなぜかゾディアーツに追われていた。 (2011年 日本)


「MOVIE大戦」第3作。
前情報から期待値上がりっぱなし、話題の仮面ライダー最新映画を観てきました。
 これまでの「MOVIE大戦」はディケイド編→W編→MOVIE大戦編といった三部構成として作られていましたが、今回はアバンタイトル→オーズ編→ブリッジ→フォーゼ編→MOVIE大戦編に変更。ほぼ3本立てに近い状態だった従来の形から1本のストーリーとして見られるものへと大きく仕様が変わっています。
 この形式が画期的だったのは1編につき30分という決して長い時間が確保できない中、各ライダーの物語を共通の出来事に端を発する複数の事件としたことでパートごとに説明する手間を大幅に省けたことにあります。原因部分を改めて描く必要がないから、すぐにドラマを始められるわけです。


 ゾディアーツにドーパント、グリード、ミュータミットと様々な出自の怪人たちが世界中で暗躍し、そこに投資する財団Xのような組織も存在する。そしてそれを阻止するために各地で闘っているのが仮面ライダーといった本作の世界観はようやく辿り着くべき処に辿り着いたというか。『W』以降の平成第二世代が繋がっていることと歴代仮面ライダーが都市伝説と囁かれる『フォーゼ』の設定は、われわれ視聴者が本当に見たかった画を遂に実現させてくれました。
 本作に登場する7人ライダーは正真正銘の本物です。リ・イマジネーションによって創造されたニセモノではないんです。こうした思い切った仕切り直しができたのは間違いなく『ディケイド』のお蔭で、視聴者の世界観への拘りを蹂躙し尽くした上に謎も伏線も投げっぱで終わった最低最悪な作品でしたけど、そう考えるとそれなりに大きな役割を果たしたんだなぁなんて感慨に耽ってしまいます。

 脚本をメインライターの中島かずきと小林靖子が務め、監督に坂本浩一を迎えた本劇場版は『仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』に次ぐ面白さ。ストーリー、アクション、演出、どれを取っても充分以上に満足できるレベルにありました。
 中でもMOVIE大戦パートでのダブルの連続メモリチェンジ、オーズの連続メダルスキャン、フォーゼの連続モジュール換装は圧巻。ライダーの活躍に合わせてそれぞれの主題歌も流れ、盛り上がりに拍車を掛けます。オーズは1対多数の戦闘に向いた能力編成で逆にフォーゼは口癖どおりタイマン向けな戦闘スタイルだったりして、細かいな違いを発見できたのが興味深かったです。水上バイクを駆る“仮面ライダー”というというアクアのコンセプトも面白い。坂本監督は現在の特撮業界で最も脂の乗った人物でしょうね。

 ただ、オーズ編のクスクシエでのアクションシーンは長すぎる。オーズ編はアンクとの再会(まさかの『ジュブナイル』展開!)やWバース(今夜は俺とおまえでダブルライダーだからな……!)、映司のその後(鴻上ファウンデーションの協力研究員になっていたとは)を過不足なく描けていた一方で、新キャラのアクア=ミハルの心情変化の過程がいまいち薄いように感じました。『オーズ』はもともと心理描写>アクションの作品だと思うのでアクションシーンでだれた分をもうちょっとそちらに回してあげても良かったです。

 今回、特に楽しめたのはフォーゼ編です。仮面ライダーなでしこはいかにも女性ライダーらしいスマート且つ丸っこいデザインが愛らしい。なでしこが攻撃する度にきらんきらんSEが入るのはチープさを醸し出していたものの、無邪気で強くてとにかく可愛かった。真野ちゃんよりも変身後の方が可愛かったんじゃないかと(失礼
 弦ちゃんがスライム状の撫子に告白するシーンは宇宙と学園ドラマの二大テーマがSFの下にきちんと結びつくという離れ業を成し遂げているし、何よりも撫子が消えて失意に暮れる弦ちゃんに対して「きみが泣く時間くらい俺たちが稼いでやる」と言ってのける賢吾が熱い。頑張れと発破を掛けたり立ち直るための時間を作るのではなくて、いまはただ思いきっり泣けば良いと。仮面ライダー部の面々が生身で敵に立ち向かっていくこのくだりがどうしようもなく青春で、こういうのに弱いんですよねぇ。その後の全員で「宇宙キター!」にテンションが天元突破しました。

 スーパータトバは最初に特報で見たときには黄色のトレーナーに緑のジャージを組み合わせた休日の部屋着姿みたいでダサすぎると感じていたのですが、いざ動いてみるとそこまで悪くはなかったです。まあ、オーズは黒を素体に使った元々のデザインがカッコ良いので下手に色付きにする必要はなかったとは思いますが。
 なでしこの力を受け継いだ特別フォーム・ロケットステイツもそれなりかなぁ。ラストバトルがガンバライドのようなCGだったのは若干気になりました。
 サプライズでまさかの仮面ライダージョーカー登場や『AtoZ』での映司の台詞「ライダーは助け合いでしょ」を今度は翔太郎から言ってみたりと、とにかくメガ盛りMEGA MAXな本作。勢いのあるコンテンツの底力を存分に見せて貰いました。ライダーファンは勿論、そうじゃない人も観て損はない――いや、とりあえず観るべし。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

当ブログはリンクフリーです。
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