2011.12/07 [Wed]
相棒 Season 10 第8話「フォーカス」
★★☆☆☆
通り魔事件の瞬間をスクープしたカメラマンが殺害された。週刊誌に通り魔犯の顔写真が掲載されたため通り魔がカメラマンに復讐したのか? 捜査一課が通り魔の行方を必死に追う中、遺留品のカメラを見ていた右京は写真がいくつか消去されていることに気づき……。殺されたカメラマンが本当に撮りたかったものは何だったのか……!?
「報道写真の在り方」がテーマでしょうか。報道被害を苦にした女性が飛び降りた瞬間、通り魔に刺されて苦しんでいる女性を無視して歩き続ける人々……。それがいかに冷酷なことであるかを、彼は伝えたかった。現実を知ってほしかった。しかし、出版社に持ち込んだ写真は自分の思うところとは別の使い方をされ、本当に見て欲しかった相手にも誤解されたままで命を落としてしまう。
――うん、まあ言いたいことはわかります。けれどこの話、極限に好きじゃないです。
有沢のやっていることって結局のところ自己満足にしか見えないんですよね。自分には斃れゆく人を救えないから、せめて写真で伝えたいといえば聞こえは良いです。でもたとえば、通り魔に刺された女の人の場合だったら写真を撮る前に救急車を呼ぶべきなんじゃないの? 被害者に対して誰も気遣う様子を見せていないのであれば尚のことです。そんな“いまできること”もしないで無心にシャッターを切り続けているのはやっぱりおかしいし、それは傍観者効果でスルーし続けた通行人たちの無情な言動と何ら変わらない行為ですよ。
3年前の事件にしても同様で、自殺の瞬間にまでカメラを構えられた有沢には、やっぱりそれなりに彼女を止める機会があったと思うんです。飛び降りる直前に是が非でも邪魔をしようとしたりとか、道路に躍り出て説得を試みるとか。
殺されるキッカケとなったやりとりにしても、相手は被写体である彼女の尊厳が傷付けられると真剣に訴えているのだから、「とにかく俺の写真を見てください。それでわかる」じゃないだろう、と。展覧会開催の意図も語らずに、実際に目にして貰えれば云々なんて戯言にもほどがある。スタンスがあくまでも芸術家目線なんだもの。そりゃあ相手も怒ります。
知る権利? 伝える義務? そんなものは報道サイドの驕りでしかないということをいい加減理解すべき。もっと前に見失っちゃいけないことがたくさんあるハズなんだけどなぁ(琉球新報の例の記事にしても)
あと気になった点としては、有沢が謀ったように通り魔事件に居合わせた件について必然性がほしかった。てっきり自演なんじゃないかと疑っちゃいました。
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