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アラン・ディーン・フォスター『スター・ウォーズ 崩壊の序曲』

スター・ウォーズ崩壊の序曲 (Lucas books)スター・ウォーズ崩壊の序曲 (Lucas books)
アラン・ディーン フォスター Alan Dean Foster

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★★★☆☆
ほんとうに、そうかしら?
そのことで、もしもオビ=ワン以外に相談したくなったらね。遠慮なく、わたしを訊ねてきて。
なにはともあれ、ものごとによっては、異なる視点から意見をいってあげられるかもしれないわ

ナブーの戦いから10年――銀河共和国はまさに崩壊の危機に瀕していた。辺境惑星アンシオンでは、同惑星を共和国から脱退させることで、共和国を解体に追い込むという計画が秘密裏に進んでいた。この動きを察知した元老院とジェダイ評議会は、オビ=ワンとアナキンをはじめ、4人のジェダイをアンシオンに派遣した。渦巻く陰謀、笑う黒幕、試練と冒険……。映画『エピソード2クローンの攻撃』のエキサイティングなプロローグ。


 『EP2』の中で言及されている「アンシオンの任務」を取り上げた作品。この小説のラストから映画のオープニングに繋がっていく構成は『ダース・モール 闇の狩人』→『EP1』、『悪の迷宮』→『EP3』と同様です。
 誰もが見向きもしないような田舎惑星アンシオンが実は数多の条約や同盟の中心となっている最重要拠点であることに気付き、行動を開始する分離主義者たち。アンシオンの共和国脱退をなんとしてでも阻止するために派遣されたオビ=ワン・ケノービ&アナキン・スカイウォーカー、ルミナーラ・アンドゥリ&バリス・オフィーのジェダイ師弟二組が今回のメインキャラクターで、共和国の行く末を懸けて遊牧民の古豪族を探し求め、ひたすら広大な草原を往きます。

 というのもアンシオンでは都市住民と遊牧民との間に深い確執があり、これが共和国脱退騒動の一因となっているのです。そこでジェダイが両者の仲を取り持とうとするわけですが遊牧民に絶大な影響力を誇るボロキイ族は、遊牧民だけあってどこにいるのかわからない、と。しかも厄介なことに、伝統を重んじる彼らは機械を嫌うというユージャン・ヴォング的スピリッツの持ち主。一歩都市部を出たらレーダーやスピーダーの類は一切使えず、スーバタールなる生物に乗って旅をするしかないというから困りものです。
 指定された期限が刻一刻と迫る中、アナキンたちは果たしてボロキイ族は発見できるのか?というお話なのですけど、内容が内容なので戦闘シーンも殆どなく、すべてを喰らい尽くす謎生物の群れをギリギリで躱したり、大河を渡ったり、遊牧民たちとのキャンプファイヤーでそれぞれ一芸を披露したりと、任務の重要性に反してかなり牧歌的というか、ストーリー的には相当地味です。
 そのぶんジェダイの在り方のような突っ込んだ議論やキャラの掘り下げをじっくり描いてくれています。ジェダイ評議会から出る予算の話なんか、いままで滅多に出てこなかったトピックで結構興味深かったり。しかし、いくらジェダイが禁欲的とはいえ、若い男女が下着姿で一緒に水浴びってどういうことなの……。

 そしてなんといってもルミナーラとバリスの師弟ですよ。ルミナーラ師弟の視点からオビ=ワン師弟を見ることでその特殊性がよくわかります。アナキンばかりが目立っていますけどオビ=ワンもあれでかなりの変わり者だったんですね。特別な弟子は特別な師匠に、自分がアナキンのマスターじゃなくて良かったと突き放して考えるあたりがルミナーラらしい。
 バリス・オフィーはお気に入りのジェダイなので彼女が活躍するのも嬉しかった。弱き者、怪我人には敵であっても優しく接するジェダイの治癒者。一方で激情に駆られてライトセーバーを抜くような場面もあり、そのギャップがまた魅力的です。
 『CW』ではアソーカとパダワン女子として仲良くなったバリスですが、『EP2』前のこの任務では初めは反目しながらも最終的にはアナキンの良き友人となります。アナキンと対等に話していたバリスがアソーカと同世代というのは少し違和感がなくもないのですけど、『デス・スター』によるとバリスがジェダイ・ナイトに昇格したのは「Medstar」二部作の直後らしいので一応、整合性はとれているっぽいです。アナキン師弟の理解者でもあった彼女の影が、旧三部作の時代になって間接的にルークを助けることになるというのはなかなか感慨深いものがあります。
 うう、やっぱり「Medstar」を読みたい。高貴さん、どうにかならないんでしょうか?


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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