fc2ブログ

積読本は積読け!!

300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

Entries

トロイ・デニング『スター・ウォーズ タトゥイーン・ゴースト(上)』

スター・ウォーズ タトゥイーン・ゴースト〈上〉 (ソニー・マガジンズ文庫―Lucas books)スター・ウォーズ タトゥイーン・ゴースト〈上〉 (ソニー・マガジンズ文庫―Lucas books)
トロイ デニング Troy Denning

ソニーマガジンズ 2003-10
売り上げランキング : 653265

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

★★★★☆
バクラで父が現れたあと、わたしは決めたの。それはあなたもわかっているはずよ
銀河にもうひとりのダース・ヴェイダーをもたらす資格は、わたしにはないわ。

エンドアの戦いから約5年後、新婚のハン・ソロとレイアは、オルデランの名画『キリック・トワイライト』が競売にかけられると聞いてタトゥイーンを訪れる。その絵には、反乱軍時代から活動を続けているスパイ・ネットワークの情報が隠されており、帝国軍の手に渡すわけにはいかないのだ。だが、アナキン・スカイウォーカーの親友だったキットスターが幻の名画を奪って逃げてしまった!


「スター・ウォーズ タトゥイーン・ゴースト」上巻。
 『EP6』の5年後――竹書房より刊行された『レイアへの求婚』から8ヶ月後の物語だそうで。本作のポイントはなんといっても、幼少時のアナキン・スカイウォーカーを知る人物たちと接することによってレイアがダース・ヴェイダーではない父親の一面を知っていくというところ。タトゥイーンでは未だに、人間で唯一ポッド・レースを優勝した伝説的パイロットとしてアナキンの名が語り継がれているのです。

 本作で重要なアイテムとなるのがシミ・スカイウォーカーのホロ日記。オーウェン叔父さん、ベルー叔母さん亡き後、ルークの育ったラーズ家に移り住んだダークライター夫妻(ローグ中隊のギャヴィン・ダークライターの両親)が、娘が見つけたものだとレイアに手渡します。そこに記録されていたのはアナキンがクワイ=ガン・ジンと共に旅立って以降、離れ離れになった息子を日夜心配するシミ・スカイウォーカー=祖母の姿でした。
 しかもなんと、日記にはモス・エスパ・アリーナで40年前に行われたポッドレース映像まで保存されているじゃありませんか。そう、われわれが劇場で観た『EP1』のあのレースを、時を超えてレイアがその目に焼き付けるという全SWファン歓喜の内容なんです、この小説。

 旧三部作よりも先の未来を描いていながら、『EP1』と『EP2』の間を埋めるブリッジ・ノベルなっているのも面白い。アナキンがタトゥイーンを去った後、シミやワトーやアナキンの友人たちがどうなったのか。これを読めばそんな脇役たちのその後がわかります。
 個人的にはワトーの人の好さがこれでもかというほど描写されているのが嬉しかったです。何を隠そう、私がSWの中で最もお気に入りのキャラクターがワトーでして。ルークでもオビ=ワンでもハンでもレイアでもドロイドふたりでもなく、どうしてそんなマイナーキャラを?と首を傾げる人もいるかと思いますが、『EP2』でジェダイになったアニーと再会して心から喜んでいるシーンで惚れて以来、すっかりワトーファンなんですよね。
 クワイ=ガンがナブーで殺されたと聞いてアナキンはタトゥイーンにいた方が幸せだったと嘆き、シミがジェダイ評議会に送ったメッセージに返答がなくて怒り狂うワトー。これを読んでワトーを好きにならない人はいないハズ。そういう意味でも、ひとりでも多くのSWファンに読んで貰いたい作品です。


スポンサーサイト



Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

ご案内

プロフィール

はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

当ブログはリンクフリーです。
お気軽にどうぞ。

カレンダー

02 | 2023/03 | 04
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -

ただいまの積読本

現在:456冊                        目指すは未踏の500冊! 最新の15冊を表示。                 冊数をクリックするとすべての積読本を見られます。

ブログ内検索

作家別作品アーカイブ

過去の読書記録はこちらから。 作家名が五十音順に、それぞれシリーズごとに見られます。

評価について

★☆☆☆☆ 破り捨てたい衝動に ★★☆☆☆ うーん。これはびみょ(ry       ★★★☆☆ 普通に面白いです ★★★★☆ 一読の価値アリ ★★★★★ 殿堂入り                ★×4以上は自信を持ってオススメ  ★×5はとりあえず読んでほしい傑作

2014年のベスト5

2014年に読んだ小説の       (暫定)ベスト5はこれ!!

2012年のベスト5

2012年に読んだ小説の        ベスト5はこれ!!

2011年のベスト5

2011年に読んだ小説の          ベスト5はこれ!!

1.トリプルプレイ助悪郎(2007年刊)   2.名探偵に薔薇を(1998年刊)             3.化物語(2006年刊)          4.時砂の王(2007年刊)                  5.天帝の愛でたまう孤島(2007年)

最近の記事

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

アソシエイト

アクセス解析