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積読本は積読け!!

300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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相棒 Season 10 第4話「ライフライン」


★★★★☆

「帯川運送」の社長・帯川が何者かに殺害された。会社の経営に行き詰まっていた帯川にはあちこちに借金のある多重債務者だった。伊丹ら捜査一課は、借金の連帯保証人になっていた妻の郁美が、夫の保険金目当てで殺害したのでは、と疑惑を抱くが……。一方、右京と尊は帯川の携帯に残されていた、新潟行きの小包の写真を調べ始める。さらに新潟行きの小包を配送する仕事が、帯川の借入先の1つで無利子で金を貸し出す同業者の組織「緊急互助会」の副会長・青木の会社「青木配送センター」に回されていたことが明らかになる。


 うげぅー。今週もまた救いようのない展開目白押しの鬱回でした。借金で首が回らなくなった運送業者社長がそれを盾に闇金の取り立て人にされ、同じような立場にある同業者を責め立てる。お互い、相手の立場も気持ちもよくわかるだけに取り立てる側も取り立てられる側も悲痛なまでに苦しんで、苦しんで、苦しんで……。
 殺人の動機も恨みからくるものではなく心からの同情だったし、あまつさえ殺された帯川本人が感謝の意を述べるくらいの状況にまで追い込まれているんだもの。最後の花の里云々のやりとりだけじゃ全然息抜きできないって。
 Season 10 、質が高いのは嬉しいのだけれどさすがにこう毎回重々しい社会派エピソードばかりだと精神的にキツいです。
 そういう意味では来週は良い意味で軽めな内容になりそうなのでいまから楽しみ。なんせ『相棒 -劇場版-』の守村やよいが再登場(本仮屋ユイカの可愛さは異常!)、予告では「亀山さんはいまサルウィンに――」なんてファン心をくすぐるセリフもあって。そういえば彼女のお兄さんも海外で子供たちの笑顔のために活動していたんだもんなぁ。

 話が逸れましたが、ミステリとしては領収書の伏線がなかなか良かったです。ああいった何気ない描写の中にヒントを紛れさせるのは映像作品ならではですよね。一度大写しにしているだけに、後から指摘された時の衝撃度は大きいです。
 映し方に関しては今回、かなり凝っていたと思います。解決編でも特命係のふたりが犯人を落しに行くいつも通りのステップを踏んでおきながら、右京さんが名指しするまでは対峙している人物が誰なのか視聴者に見せないように配慮している。この撮り方、ミステリをわかっている人だわ。

 それにしても右京さんの元捜査二課設定とか懐かしすぎる。「杉下警部に関わると出世できないという噂が~」とボヤいていた例の後輩くんの再登場を期待してしまったのは私だけではないハズ。
 特命に雑用を押し付ける刑事部長の図も久し振りに見た気がします。組対五課の大木&小松コンビも大活躍でキャラクター面においても非常に満足度の高い一篇でした。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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1.トリプルプレイ助悪郎(2007年刊)   2.名探偵に薔薇を(1998年刊)             3.化物語(2006年刊)          4.時砂の王(2007年刊)                  5.天帝の愛でたまう孤島(2007年)

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