積読本は積読け!!

300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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相棒 Season 10 第3話「晩夏」


★★★☆☆

杉下右京が、ふとしたきっかけで知り合った歌人、高塔織絵から相談を受ける。「文箱の二重底から毒物が入った見知らぬ青い小瓶が見つかった」という。文箱は40年以上前、織絵が結婚を約束した桐野が持っていたもの。桐野は服毒自殺していた。毒物は桐野が自殺に使用したものなのか……。しかし、織絵は「なんのために毒を隠したのか」と疑問を抱き「青い毒の小瓶の謎、解いて頂けます?」と右京と尊に依頼する。


 まさかの『はみデカ』エンド! 兵吾くんを思い出します。てか、『はみだし刑事・情熱系』はいつになったらDVD化するんだろうか。こんなにも待ちわびているのに。

 着物に短歌、ひぐらし。夏の終わりに起きたとある事件、男女の愛のすれ違いを“和”というテーマで纏め上げた作品でした。淡い橙掛かった映像の色合いだったり細かな小道具だったり、隅々まで細かな演出が行き届いていて、総話数にして200回ほどになるというのにまだまだ『相棒』で表現できることがあるな、と思わせてくれますね。
 仮に犯人がいたところで既に自殺として処理されているばかりか時効すら迎えている事件なので何がどうなるわけでもない。それでも40年前の服毒事件の謎を明かすために動く、というのも自由度の高い特命係ならではです。

 今回のミステリ的主題は事件に使われた毒入りの小瓶がなぜ文箱に隠されていたのか。自殺ならばわざわざ二重底の下に毒を隠すのは不自然。かといって他殺だったのなら犯人は毒物を持ち去るのが妥当だし、自殺偽装としても前述の理由があるため不可解な行動です。
 人死には出ているものの極めて日常の謎に近いホワイダニットで、そこにさらにかつての担当刑事の証言により開かれた密室の要素も加わってこれはどう解決まで持っていくんだ、と心躍らせていたのですけれど、実際にはそこまで凝った真相ではありませんでした。というか、どストレート。素直すぎるだろ! もっと怪しもうよ!!
 そこから発展する第二の事件ですが……これはもう勝手にやってくださいとしか言いようがないです。40年あったわけですよ。人も殺しているんです。それなのに相手を失うのが怖いとか宣ってたったひと言すら伝えられない。何なのって感じです。
 罰を受けるとか、命を捨てるとか、そんなくだらない決意の前にあなたたちには言うべきことがあったろう、と。すれ違いの末に死ななくても良かった人が命を落とす手法はわりかし用いられることが多いですけど、私はこの手の“不必要な殺人事件”が大っ嫌いです。ちょっと話せばわかることなのに、言葉足らずで無駄に死ぬ。そんなところに切なさや情緒や、ましてや感動なんて生まれるハズもない。あるのは無意味な死だけなんです。

 そして右京さんが今週も容赦なく叩き潰してくれました。まあ相手は時効を切り抜けた犯罪者ですしせいぜいその絶望を抱えて生きていけ、ってことなのでしょう。『Season 10』の右京さんはいつになくブラックです(きっと心の中では「恥を知りなさいっ!!」と激昂していたに違いない)
 逆に伊丹の軟化が著しい。『オトナファミ』で松本さんのコメントにもあったように、神戸尊のスパイ結果や『劇場版Ⅱ』の事件を経て、外側から見た特命係の存在意義が段々と変化しているみたいですね。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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1.トリプルプレイ助悪郎(2007年刊)   2.名探偵に薔薇を(1998年刊)             3.化物語(2006年刊)          4.時砂の王(2007年刊)                  5.天帝の愛でたまう孤島(2007年)

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