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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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エリザベス・ハンド『クローン・ウォーズ・ノベル スター・ウォーズ ボバ・フェット(4)』

スター・ウォーズ ボバ・フェット〈4〉―クローン・ウォーズ・ノベル (LUCAS BOOKS クローン・ウォーズ・ノベル)スター・ウォーズ ボバ・フェット〈4〉―クローン・ウォーズ・ノベル (LUCAS BOOKS クローン・ウォーズ・ノベル)
エリザベス ハンド Elizabeth Hand

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★★★☆☆
ダージが最も優秀な賞金稼ぎだって? では、そろそろ交代の時だな!
オーラ・シングを出し抜き、ボバはジャンゴの遺産の一部を手にした。一人前の賞金稼ぎとして独り立ちするためにしなければならない次なる目標――それは銀河の犯罪王ジャバ・ザ・ハットに会うことだった。盗人や殺し屋の闊歩するタトゥイーンの無法地帯で困難な局面を切り抜け、ジャバに目通りがかなったボバは、賞金稼ぎとして初仕事を獲得する。「ある邪魔者を消せ」――仕損じれば、待っているのは死。しかも同業者ダージに背中を狙われながら、11歳のボバは非情な任務をやり遂げることができるのだろうか……?


「スター・ウォーズ ボバ・フェット」第4作。
 『ルーク・スカイウォーカー伝』以来、およそ半年ぶりのスピンオフ邦訳最新作は「ボバ・フェット」の第4巻です。諸事情で延期されていたとはいえ、前巻の刊行から実に11ヶ月。恐るべきスローペースですけれど文句は言うまい。残念なことに読めるだけで幸せ、打ち切られないだけラッキーというのが日本におけるSW小説の実状なのです。

 で、今回の「ボバ・フェット」はというと。前作でジャンゴの遺産を巡る冒険は一応の決着、今巻はボバ少年の賞金稼ぎデビューのエピソードです。ジャンゴの遺した本に従ってボバが向かった先はご存じタトゥイーン。ボバ・フェットは旧三部作でジャバの依頼を受けて行動し、用心棒も務めています。その関係のルーツが明かされるのがまさに本作であり、これは映画ファンも注目の1作でしょう。第4巻とはいいつつも、これまでの1~3からは独立した話になっているので単巻で読むのも全然アリだと思います。
 齢2000歳を誇る最強の賞金稼ぎ、ダージの存在も大きいです。マンダロリアン憎しでクローン大戦にも参入するドゥークー伯爵配下の三羽烏(グリーヴァス、ヴェントレス、ダージ)の一角でもある彼は、本作での役割的には完全にボバの噛ませのハズなのに、ジャバに対してもまったく遜ることなく接し、けし掛けられた猛獣や兵士を一瞬で蹴散らすその圧倒的強さで読者の愚かしい心象すらもひっくり返してくれます。もし仮に後半戦でダージがレギュラー加入するのなら盛り上がること間違いなし。
 作中では“ダージがクローンのオリジナルになりたがっていた”という噂が流れていますが、それが本当だとすると共和国軍は惜しいことをしましたね。ダージのクローン・トルーパーがやって来た日には分離主義者なんて速攻で全滅ですよ。まあ、後のオーダー66のことを考えるとむしろこれで良かったのだろうけれど。

 最後の最後で発覚するとある事実は伏線が効いていて驚いたばかりか、YAらしいハートウォーミングさでGJ。2作目で己が道を貫くために泣く泣く友達と別れたボバが、今度は初仕事を友達の助力で達成するという展開も良かったです。自分の心を押し殺すのではなく感情に素直に生きることで、ボバ少年が初めて「自由」を手にしたわけです。
 ちなみに今回、オーラ・シングは出てきません。『クローン・ウォーズ』を観ていて感じたのですけど、肉親を喪ったボバにとってオーラは姉のような存在なんですよね。だから「危険な追跡」で置いていかれたと知って抵抗の気力を失くすほどに落ち込んだ。早くもあのふたりの掛け合いが懐かしくなってきました。TVシリーズとの兼ね合いを考えると再合流は必須なので次巻に期待しておきます。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

当ブログはリンクフリーです。
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1.トリプルプレイ助悪郎(2007年刊)   2.名探偵に薔薇を(1998年刊)             3.化物語(2006年刊)          4.時砂の王(2007年刊)                  5.天帝の愛でたまう孤島(2007年)

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