2011.10/09 [Sun]
マンガ総評:ゆでたまご『キン肉マンⅡ世 究極の超人タッグ編』
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★★☆☆☆
オレたち及び そこにいる万太郎たちがタイムワープして
未来から1983年にやってきた時に黄金のトロフィーの認識が変わっちまったんだよ
最強はマシンガンズじゃねえ まだ他にいると…
悪魔将軍再降臨の阻止からしばらく、地球には平和が戻っていた。そんなある日、まだ見ぬ危機に備えて訓練を重ねていた平和の立役者・新世代正義超人たちの前に、謎の怪超人が現れた!? ……"伝説の超人"の息子たちによる、時空を超えた作戦が今、始まる!! 全28巻。
「キン肉マンⅡ世」第2部。
ようやく完結。私はバリバリの『Ⅱ世』世代なのですけど初代『キン肉マン』を含め、「キン肉マン」というマンガをめちゃくちゃ愛しています。その「キン肉マン」の新シリーズが「夢の超人タッグ編」の時代を舞台に、現役の伝説超人・新世代超人入り乱れてのタッグトーナメントだというのだからこれが期待しないわけがないというもの。しかも過去のレジェンドばかりか21世紀からネプチューンマンとウォーズマン、さらには時間軸をちょっと早めてマンモスマンまでが参戦! セイウチン悪行化、と肉ファンとして最高のシリーズになるだろうことは間違いなしを確信したものですが――どうしてこうなった。
蓋を開けてみればわがお気に入りのチェック・メイトは予選前に離脱、ネプの老害化、マンモスマンは試合放棄、スグルの度がすぎた頑固さ、時間超人はチート能力全開でまったくの疲れ知らずともう最悪です。特に時間超人の伝説破壊鐘やエボリューション・マウスピースに頼った技の数々には呆れてものが言えなくなるなるレベル。最強のフェイバリット・ホールドであるマッスル・ミレニアムを食らってもノーダメージのサンダーとか、もう意味がわからない。読大者激怒ですよ。決勝の体力全回復連発は万太郎でなくとも心が折られます。もう読むのをやめてやろうかと本気で思ったくらいです。
何よりもテンポが悪い。タッグトーナメント編ひとつで29巻はさすがに時間を掛け過ぎ。初代『キン肉マン』ならとっくに王位争奪戦に突入しているし、『Ⅱ世』第一部と丸ごと同じ分量でこの中身の無さはちょっと有り得ません。読者がわかりきっていることに逐一説明セリフを入れるわ、サタンみたいな余計なキャラを絡めるわで遅々として進まない連載状況ははっきり言って苦痛でした。頼むから次シリーズはもっとスマートに進めてくれ。
しかもタッグトーナメントの癖にトーナメント表が意味を成していないんですよね。毎回対戦相手がシャッフルされるのはどうなのでしょう。マシンガンズの前例があるとはいえ決勝だけタッグパートナー入れ替えもそれで良いのか、という感じです。
良かった点といえばまず、無駄に多くしすぎて処理し切れなくなっていたキャラクターたちにもスポットが当てられたこと。キッドとセイウチンは入れ替え戦以来の登板なので実に20巻振りの試合になります。ガゼルマンのハブられ具合が気になるところではありますが、こうやって色々なキャラが闘ってくれるのは素直に嬉しい。正義超人入りしてからまだ実戦が一度もないチェックにもそろそろ闘わせてあげてほしいですね。
万太郎の成長ぶりも著しいです。今シリーズで万太郎は精神的にも技術的にも相当の成長を遂げました。カオスという後輩を得たことによって頼りがいのあるチームリーダーとなり、52の関節技やマッスルスパーク地まで習得した万太郎。ツープラトンでもカオスとのマッスル・エボルシオン、ケビンとのマッスル・キングダムと超絶カッコ良い新技を披露してくれました。マッスルG+キングジャーマンやマッスルスパーク+ビッグベン・エッジというフェイバリット+フェイバリットを無理なく組み合わせてしまうゆで御大の発想力はさすがのひと言に尽きます。個人的にはマッスル・エボルシオンに痺れました。
死亡したカオスもなんとか生き返ったっぽいので今後の登場が楽しみなところです。ザ・坊っちゃんズよりもマッスルブラザーズ・ヌーヴォーの方が万太郎には合っているように思います。
ただ、もう暫くはタッグマッチはいらないかなぁ。一試合あたりの分量がシングルマッチに比べて長くなるし。妥当なラインでいけば次シリーズは超人オリンピックでケビンにリベンジになるのでしょうか。そうなると予選だけでもVS農村マン、EZOマン(実は地味に好きなキャラ)戦が楽しめそうだし、なんだかんだいいつつも次シリーズの開始が待ち遠しいです。
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