2011.09/21 [Wed]
映画『フォーン・ブース』
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★★★☆☆
スチュ、電話を切ったら君を殺す
スチュは自称一流のパブリシスト。傲慢で嘘をつくことを何とも思わない彼は、アシスタントと別れたあとニューヨーク8番街53丁目に残る最後の電話ボックスに入り、結婚指輪を外してクライアントの新進女優パメラに電話をかける。しかしスチュが受話器を置いて外に出た途端にベルが鳴り、彼は思わず受話器を取った。すると電話の発信者はなぜかスチュの私生活を熟知しており、どこかからかライフルで狙いつつ、言うことを聞かなければ殺すと脅迫してきた。 (2003年 アメリカ)
BSで放送があったので視聴。
ワンシチュエーションもののサスペンス映画ではあるものの、舞台が街中の電話なためスケールの小ささを微塵も感じさせません。
通話中のスチュに絡んできた男が撃ち殺されたことで周りから殺人犯の疑惑を掛けられ、みるみるうちに武装した警察に包囲されてしまうスチュ。電話を置いて大声で助けを求めればなんとかなりそうな状況にあるにも関わらず、自分や他人の命を盾に取られている彼にはそれができないという“開かれた密室”が作り出されます。自由なように見えてまったく身動きが取れないところが面白いです。
しかも用意周到な犯人によって自分では持っていなかったハズの銃が用意され、テレビ報道を観て駆け付けた奥さんと不倫相手まで狙撃の射程圏内に入ってしまう始末。時間が経つにつれて事態は悪化の一途を辿り、ますます目が離せない緊迫の展開が続いていきます。
犯人の計画自体は冷静になって詳しく調べてみればスチュの無実がすぐに証明されるような代物なのに、現在進行形で事件と相対させることでそんな暇を与えず、強引に押し切ってしまっているのも抜け目ない。犯人にしてみれば、こんなものは単なる暇つぶしの余興であって後々のこと――もっといえば、スチュの無実が証明されようがされまいがどうでも良いのです。これぞ究極の愉快犯。
そんなわけだから犯人なんてどこぞの名無しさんで構わないよね、というラストの肩すかしっぷりは容疑者候補をそれなりに考えていた身としては後出しじゃんけん的な空しさがあるけれど、それはそれとして楽しめる映画でした。
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