2011.09/12 [Mon]
映画『ブレードランナー』
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★★★☆☆
俺はもっと長く生きていたいんだ。わからんのか?
2019年。この頃、地球人は宇宙へ進出し、残された人々は高層ビルの林立する都市に住んでいた。休みなく雨が降っているロサンゼルスでは東洋系を始めとして、さまざまな人々がうごめいていた。その1人デッカードは、ガフと名乗る男に本署へ連れてこられる。そこで彼は元上司のブライアントに、レプリカント4名が地球に侵入したので彼らを見つけ出せと命じられる。レプリカントとは、遺伝子工学の新技術によって生産された人造人間で、宇宙探索や植民地惑星での危険な労働に従事し、あらかじめ死期もセットされている。ブレードランナーはレプカリントの犯罪や叛逆に備え、彼らを識別し抹殺する刑事のことで、デッカードはなかでも一流だった。レプカリント製造の最大手タイレル社に行き、そこでタイレル博士と謎の美女レイチェルに出逢うデッカード。彼はレイチェルをテストし、彼女がレプカリントであることを知るが彼女自身はそれを知らなかった。 (1982年 アメリカ)
超が100個付くほどの有名作で、いつかは観たいと思っていたので地上波放送があったので録画視聴。
人工的に製造され、4年間の寿命が設定されているレプリカントたちは人間同様、感情を持って生き、怪我をすればのた打ち回って痛がるし、銃で撃たれれば血を流して命を落す。身体構造的には人間とまったく変わらない彼らは、しかし人権が認められずに奴隷として扱われている現実。じゃあ、人とレプリカントの差はどこにあるの?というのが本作のテーマです。
派手な格闘も抑え目に、健気で純真なレイチェルをレプリカントだとわかっていながら惹かれてゆくデッカードと、迫り来る死をなんとか回避したい逃走レプリカント4名の双方から物語を情緒的に紡ぎ、「命」の重さと人間を人間たらしめるものは何か、と問い掛ける。ただし詩情を優先させすぎて全体に静かなつくりになっているため、観ていて若干の単調さも否めません。演出意図としては理解できるのだけど、実際、前半は結構たるかったりします。
いくら憎んでいるとはいえレプリカントが社長の目玉に指を突き立てるのも完全にやりすぎで、そこまでされるとレプリカント=悪人のイメージが出来上がっちゃうのも致し方なしなんですよね。レイチェルと接することでデッカードのレプリカント観が変化していく際の葛藤も、描写として足りていない。もっと悩みに悩んで打ちのめされて、という展開があっても良さそうなのに意外とあっさり受け入れちゃう。そこら辺、もうちょっと気を配ってほしかったです。
技術の進歩した世界であるにも関わらず雑多で退廃的な裏通りさながらの未来像は、文明の発展が幸せな世の中を生むことと必ずしもイコールではないと暗に示しているようで興味深かった。日本人なら、強力わかもとにも触れておきたいところ。
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