2009.06/06 [Sat]
西尾維新『刀語 第十話 誠刀・銓』
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★★★★☆
父親が、娘に向ける言葉だぞ――まして、わたしのような可愛らしい娘に向けた言葉だ。
言うまでもなく、決まっておろうが
虚刀流・鑢七花と奇策士・とがめが蒐集する変体刀は、いよいよ十本目。対象は誠刀『銓』、所在は陸奥の百刑場。そこは、先の大乱を導いたとがめの父・飛騨鷹比等が、七花の父・鑢六枝に斬殺されたという呪われた土地だった。いまは何もない原っぱ―百刑場に突如出現した“仙人”は、とがめの心をかき乱し、七花に“意識”の戦いを強いる!
『刀語』第10作。
今年初の維新本は、大河ノベル『刀語』の第10巻。昨年はまったくといって良いほど本を読まなかったので、実は前作『王刀・鋸』を読んだのは一昨年。一年以上のスパンが空いたわりにはすらっと入れました(ただ、前巻でどういう勝負があったかは記憶があやふや)
今回は派手なバトルもなく、西尾維新お得意の禅問答的やりとりが中心です。何を推理すれば良いのかわからないまま“解決編”まで読んでしまいました。はあん、そこだったのね。
しかし維新ぼんのこういう問答、スキですね~(スキゾウさん風に)
そして、そこは西尾維新。ただ読者をケムリに巻くような会話で終わらせることなく、ちゃんと七花ととがめの“心”の成長に寄与しているわけですよ。仙人・彼我木輪廻によって気づかされた新たな選択肢は、たぶんこのシリーズの結末に大きく関わってくることでしょう。目指せ、ハッピーエンド。
人間的にもふたりが成長していく様子が描かれ、七花の“その後”に対する不安とか、とがめの“思い出したこと”とか心の内面の変化が主で、結構ほっこり。毛色は今までと違いますが、スキですね~(2回目)
てか、七花。とがめに対する愛は完璧に主従愛だけど、汽口さんのことは恋愛としての“好き”だよね?本人気づいてないけど。とがめが嫉妬するのもムリないわ。あん?
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