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映画『トランスフォーマー』

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マイケル・ベイ

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★★☆☆☆
ロボットだ。それもただのロボットじゃない。超最先端のロボットだ。たぶん日本製。
未知の惑星から、あらゆるテクノロジー機器に姿を変えられる金属生命体が、数年前から地球に到達していた。CDプレイヤー、デジカメ、携帯電話という小さなものから、ジェット機、ヘリコプター、車などの乗り物まで、多種多様なマシンに変身していた彼らに、やがて目的を果たす時が近づく。灼熱のカタールやアメリカの都市、さらにエアフォース・ワンの機内で、想像を絶するトランスフォーム現象が始まり、彼らは見たことのないロボット状の形へと変身。立ち塞がる人類に容赦ない攻撃を開始した。そして彼らは、アメリカのとある地方都市に住む16歳の少年の存在を知る。彼の名前はサム。サムの祖先は南極で失明した探検家で、金属生命体たちが捜し求めている秘密の一端を手にしていたのだった。 (2007年 アメリカ)


「トランスフォーマー」第1作。
 地上波で放送があったので視聴しましたがこれは駄作。観ている最中、何度テレビを消してやろうかと思ったことか。
 トランスフォーマーたちのCGやクライマックスにおける市街地戦の迫力が映像革命といわれるだけの域に達していることには、疑問を挿む余地もない。しかしながらそれ以外がダメすぎる。映像面があるからかろうじて許せるようなものを、シナリオだけ見たらクソ映画です。

 別にこういった超大作系のエンタメ作品に深いストーリーが必要だとか、そんなことは微塵も考えてはいません。楽しければそれで良いという意見には大いに賛同したいところなのですけれど、これが全然面白くない。寒いノリの下ネタを連発した挙句、映像の作り込みに反して展開がコメディだからちぐはぐさが目立つばかりか、そのやりとりのすべてがだだ滑りで1ミリたりとも笑えません。本気で『マンモス』の悲劇の再来かと思ったくらいです。
 しかもオートボットとディセプコンの争いにしても、もともとはキューブの争奪戦だったハズなのにいつの間にか「人類は守るに値する存在か」みたいなことを語り出す始末。なんじゃそりゃ。論点がすり替わりすぎです。久々にきちんと観ていたのに付いていけない感に襲われましたね。王道でも構わないから最低限見られるレベルの脚本にしてくれ!
 主人公も魅力がない。気弱系主人公にしたってもうちょっと描き方があるだろう、と。無駄にキョドっていて『エイリアス』のマーシャルのようにウザウザしい(造語)喋り方をするものだから、観ていてフラストレーションが溜まります。

 でも、私が問題に感じたのは何よりもトランスフォーマーに造形に関してです。本作のロボットアニメの本格的な実写映画化というコンセプトに「全男子の憧れ」「男の子の夢」といった絶賛の声をよく耳にしますが、違うだろ!?
 そもそも可変系ロボっていうのはさ、飛行機や新幹線、自動車といった身近な乗り物がその名残を匂わせつつもまるでフォルムの異なる人型に完全変形するから良いんじゃないの? 玩具上での変形ギミックと劇中のトランスフォームが同一のステップを踏んで姿を変えてゆく“再現可能”なところが最大の魅力なわけでしょ。『マクロス』だって、バルキリーをどうやって自然な流れでバトロイドに変形させるかが制作上のひとつの難門なわけで。本作で描かれたようにかしゃかしゃかしゃっ、と各パーツを適当に内側にひっくり返してはい変形しました、じゃないでしょうに。あぶれたパーツをきゅっと小さくしてしまうのなんて邪道も邪道ですよ。
 ラジカセのディセプコンに至ってはトランスフォームした後の姿に元の形との共通点なんて皆無じゃないですか。CGを使ったからそれらしく見えるものの、ラジカセのあのパーツがここに移動して~という基本を無視してCGの力技で成り立っている変形など、変形できていないも同義です。あれのどこがトランスフォームなんだよ!
 ロボットと化した後も鉄くずを磁石でくっつけたようなごちゃごちゃしたヴィジュアルで、スマートさが決定的に欠けています。もうね、マイケル・ベイは完全変形のロマンがちっともわかっていない。リアルっぽく作れば良いというものじゃないんです。『電光超人グリッドマン』のダイナドラゴンや『ウルトラマンゼロ THE MOVIE』のジャンバード→ジャンボットの変形機構を観て勉強してこい。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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