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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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はやみねかおる『踊る夜光怪人 -名探偵夢水清志郎事件ノート-』

踊る夜光怪人 名探偵夢水清志郎事件ノート (講談社文庫)踊る夜光怪人 名探偵夢水清志郎事件ノート (講談社文庫)
はやみね かおる

講談社 2008-07-15
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★★★★☆
というわけで、季節は思いっきり夏で、わたしたちは青春しています。
夜光怪人出没の噂を確かめに亜衣たちは夜の桜林公園へ。やはりそこには闇に踊り、首が取れる光る怪人が! 文芸部後輩の千秋の実家、虹斎寺の和尚さんは、亜衣と麗一に難解な暗号が記された古い巻物を見せる。怪人と暗号、両方の謎が解けたという教授、名探偵夢水清志郎は、町の人を集めて何を始めるのか。


やっぱり夏が好き (やっぱりね)~♪ (℃-ute「Go Go Go!」より)

「名探偵夢水清志郎事件ノート」第5作。
 再読になりますが、講談社文庫版では初読み。お寺に伝わる謎の暗号、洞窟探検、じれったい恋模様、そして夏祭り! 夏といったらはやみねかおる。夏が好きな僕らだからこの季節には本書を読み返したくなります。
 本作は大きく分けて二部構成になっています。第一部の「宝探ししましょ!」は教授が「総生島」事件で得た1000万円の小切手の在り処を忘れてしまい、隠し場所を示す自作の暗号を改めて解くというショートストーリー。続く第二部「踊る夜光怪人」は今回のメインで、巷で噂の夜光怪人の謎と、虹斎寺に伝わる暗号の解読を柱とした物語です。

 実はこの二段構えは想像以上に巧みな意図の下に敷かれています。というのも、第一部で暗号の解き方の一例を示しているため、第二部で暗号が出てきた際に読者の多くはまず既出のやり方を試みてみるハズなのです。第一部の暗号解読が難しすぎてはこうはいきません。小切手の暗号が言葉遊びを利用したシンプルなものなので次の暗号もきっと簡単に解けるだろう、解いてみようと思わせるのです。読者の挑戦心を喚起させ、謎解きに巻き込んで思わず考えさせてしまう力を持った素晴らしいミステリといえるでしょう。
 しかもこの暗号はひと筋縄ではいかない代物です。第一の暗号に用いた方法では歯が立たないばかりか、作中で示された殆ど正解ともいうべき解き方でもまだ解けない。ここでもうひとつ、視点をずらして暗号を見てみることが必要となってくるのですが、解答編の前に教授がきちんとヒントを与えてくれるのでわかる人はその時点で、わからない人も解答編で気付きの快感を得ることが必定の作りになっています。暗号ものの弱点となり得る“置いてきぼり感”は皆無、常に読者目線なところが良いです。

 ふたつ目の「読者への挑戦」に掛かる謎について、その直前で真相ずばりをあまりにも開けっ広げに書いてしまっているとはいえ、首が取れる謎についてはそれこそ乱歩の「少年探偵」ちっくな解答が与えられ、踊るような動きについても何気なく伏線が張られているので満足のいくものになっています。
 亜衣とレーチのやりとりも身悶えするほど青春していて。やっぱり夏はこうでなくっちゃ。夏の読書にもってこいの1冊です。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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1.トリプルプレイ助悪郎(2007年刊)   2.名探偵に薔薇を(1998年刊)             3.化物語(2006年刊)          4.時砂の王(2007年刊)                  5.天帝の愛でたまう孤島(2007年)

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