2011.07/20 [Wed]
西尾維新『朗読活劇 刀語 第零話 虚刀・鑢 /第十章』
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★★★☆☆
いや、つまりお願いしたいことというのは――そう。ぼくのひとり娘のことなんだけれど。
「大乱の英雄」と呼ばれた、旧(ふる)き刀の物語!
原作者:西尾維新完全書き下ろしにより遂に語られる、虚刀流六代目・鑢六枝の真実!
第十章は彼我木輪廻役の伊東みやこが朗読を担当。
アニメ『刀語』第10巻の初回限定版DVD/BDに付属の特典CDに収録。
前章のフリどおり仙人・彼我木輪廻が登場。本編第十話への布石として飛騨鷹比等と彼我木輪廻の対話が描かれます。今回の話は「誠刀・銓」の裏話として見ることもでき、「虚刀・鑢」がここまで密接に本編とリンクしているのはこれが初めてではないでしょうか。
第八章のみぎりとのやりとりでも感じたのですが、他人の命を目的達成のための駒同然に扱う冷血漢として語られてきた飛騨鷹比等も人の親としてちゃんとした神経を持ち合わせているし(しかもかなりの真面目トーンで)、歴史の修正という使命を頑なに果たそうとする姿は見方によっては六枝よりもヒーローしています。ひょっとしなくてもこの人、偽悪者なんじゃなかろうか。
誰もが気付いていない歪められた歴史という現状。ただひとり真実を知る彼は、たとえ人民を犠牲にする極悪非道の虐殺者と罵られ、汚名を被ろうとも、本来の時間軸を復活させるために誤解すらも受け入れて全力で立ち向かう。たとえ昨日の味方、親しい仲間を敵に回してもやらねばならないことがあるのです。なんというスポ根スピリッツ! こういうのに弱いんですよ。
それとここにきてようやく気付いたのですけれど、この「虚刀・鑢」はどうやらアニメ第1話の冒頭シーンに至るまでの物語のようです。六枝が飛騨城に乗り込んでいった理由は、みぎりが捕まっていたからだったのか……。納得。
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