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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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夏寿司『アリシアの三姉妹』

アリシアの三姉妹 (講談社BOX)アリシアの三姉妹 (講談社BOX)
夏寿司 えいひ

講談社 2011-05-07
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★★★☆☆
あ、あたし、アンタに今日の思い出を忘れて欲しくない……。だから、今のはナシ!
さっきのはウソだから。……ほ、本当は、深い意味があってアドレスを聞きました!

ウソをまったく受け付けない体質の真実一朗は、親友ヒヅキの父親が殺されたのをきっかけに、ある三姉妹と関わることになる。伝説の女子高生探偵・不鏡アリシアを母にもつ三姉妹は、それぞれが「探偵に必要な資質」を受け継いでいるという。長女・壱の知力。次女・弐の武力。そして末っ子・参の名探偵に最も欠かせない能力……。一朗と三姉妹は「神犯人」を名乗る謎の連続殺人魔に挑む。


 なんという新しいツンデレ。主人公のウソを聞かされると頭痛が起きる、ウソを吐かれたままの状態で意識が途絶えると直前の記憶を失ってしまう“ホントウつき”設定により、典型的ツンデレ娘である弐が毎回強がりを撤回して本音を暴露せざるを得ないという辱めを受けるミステリです。正直に「嬉しい」といっておけば恥ずかしい思いをしなくて済むのに、それができない。ツンデレ殺しの異名は伊達じゃない。素直な女の子は好きですよ? 事件は『頭』で解決といって頭突きを必殺技にする武闘派なキャラクターも悪くないです。

 そんな弐をいじり倒すツンデレ殺し――ではなくホントウつきの能力がもっとがっつり謎解きに絡んでくると良かったのですけれど、言葉遊びや謎掛け程度に留まってしまったのが惜しいところではあります。レーベル的にはむしろ“スキル持ち”がいても当たり前の環境にあるのかもしれませんが、特殊設定の導入はどうしてもミステリとしてのハードルを上げることとイコールになってしまうので考え物です。
 真相についてもライトノベルミステリらしい犯人像が用意されていて、まあ確かにメインターゲットである中高生ってこういった設定が好きそうではあるよなぁ。以前読んだ某ラノベミステリでも同じオチがあったので多分そういうことなのでしょう。

 伏線はちょっとあからさますぎるというか、しつこすぎて逆にバレてしまった感があります。壱の登場時にわりと自然な流れで話題に上げているのだから、二度目を張ってわざわざ強調してみせるのは逆効果です。伏線なんてものはさらりとひと言触れておけば、それで充分効果を発揮するのです。逆に横谷殺しの手口の方にもう少しヒントを与えてくれても良かったかな。程よく複雑で良いトリックだっただけに、推理材料が『真実の言葉』だけではちと弱い。
 しかしミステリの出来としては本筋の事件よりも、市瀬さんが三姉妹の探偵能力を量るための試験として出題した『ケース7』の謎の方を強く推したいです。地味に極まっていました。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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2012年に読んだ小説の        ベスト5はこれ!!

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1.トリプルプレイ助悪郎(2007年刊)   2.名探偵に薔薇を(1998年刊)             3.化物語(2006年刊)          4.時砂の王(2007年刊)                  5.天帝の愛でたまう孤島(2007年)

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