2011.06/25 [Sat]
映画『ボアVS.パイソン』
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★★★☆☆
結局そうだ。そうやってヘビのことを理解しようともせず、ただ恐れて忌み嫌うだけか。
ベティをどうするつもりなんだ?
カジノ王がハンティング用に取り寄せた超巨大パイソンが密輸途中で逃げ出した。浄水場で巨大パイソンが人間を餌食にしていることを突き止めたFBIは、ヘビの専門家であるエメット博士が研究素材として飼育している超巨大ボアに特殊装置を取り付け追撃作戦を展開する。闘争本能に導かれ、血に飢えた大蛇同士の壮絶な戦いが始まった! (2004年 アメリカ)
「パイソン」シリーズ 第3作。
地上波で放送があったので録画視聴。前2作は未見です。
どうやらこの『パイソン』というシリーズはヘビ映画の大御所『アナコンダ』に便乗して作られた映画のようです。なんと安直な。恥も外聞もなくパクっちゃうあたりがB級クオリティ。
しかし私は『アナコンダ』よりも本作の方が好みでしたね。未開のジャングルで巨大ヘビに襲われる恐怖は確かに緊張感があって良いのだけど、今回の浄水場のように人工的な閉鎖空間に似つかわしくない巨大なヘビが潜んでいるという異質感、日常に溶け込んだ非日常的風景がたまりません。
CGは軽めで特に最終盤の地下鉄での対峙シーンはまるでアニメのような映像にこそなっていましたが、総じて見れば頑張っています。私のいままでの経験からしてヘビ映画は恐らく、モンスター・パニックの中でも最もCGが難しいジャンルだと思います。かの『アナコンダ』でさえCGっぽさ全開で違和感が満載だったくらいです。何が理由かはわからないけれどとにかくヘビは難しいらしい。案の定、本作でもパイソンがCGCGしていたものの、反面ボアのベティちゃんはヘビ映画史上最上級のリアルさ。カラーリングの問題なのかなぁ。
登場人物も良いです。パニック映画にありがちな吊り橋効果的なロマンスではなく、海洋生物学者のヒロインとヘビ学者のエメットが互いのスタンスや過去を知って徐々に歩み寄っていくのがよく伝わってきます。ヒロインのモニカがブロンド美人なのもポイント高し。お色気要因はハンター側にひとり用意されていますがモニカの茶目っ気には勝てないでしょう。ヘビの研究者なんてどうせ人とまともに喋れないような根暗な奴で云々、とひとり長々ぼやいていたらすぐ後ろに本人が!の流れが最高すぎる。
パイソン捜索に駆り出されるベティちゃんをただの対抗手段として利用しては捨てるのでなく、きちんとひとつの命として考えてほしいと訴え掛けてみせるのも好きです。それを言うのが、幼い頃に妹を毒ヘビに殺されているエメットだからまた深みが出る。
ありきたりと切って捨てるには惜しい作品です。DVD売られていたら買っても良いよ?
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