2009.03/17 [Tue]
古野まほろ『探偵小説のためのエチュード 「水剋火」』
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★★★★☆
おまえたちは!!!!
私は人殺しだから―。過去の過ちのため帝都から逃げるように転校した水里あかね。彼女を待っていたのは、南国・実予の陽光と、謎めいた美少女・小諸るいかだった。周囲の温かい歓迎に心癒されたかに見えたあかねの目の前で、不可解な爆発&転落事故が。超絶推理で犯人を解明し、陰陽の力で事件に潜む怨霊の姿を暴き出す小諸。論理と因果と美を兼ね備えた最強の陰陽師探偵登場。
『探偵小説』シリーズ第1作。
デビュー作『天帝のはしたなき果実』を読み切ってもいない癖に、個人的に推しに推している作家、古野まほろ。そんなまほろさんの第2のシリーズ。
語り部が妄想系不思議少女なだけあって、地の文は相変わらずの悪文で読む人を選ぶだろうけど、慣れてくると全く問題ナシ。加えて、「天帝」の古野まほろ(語り部の方の、ね)の悪文とはきっちり差別化できているのが素晴らしい。まぁアレは90年代初頭の大日本帝国という特殊な世界観を“説明”だけでなく肌で実感させるための手法として用いているのだから、まほろさんには恐れ入る限り。
伏線、見取り図、読者への挑戦と、筋立ては普通に直球の本格ミステリで逆に清々しいくらい。陰陽師とかいうくらいだからもっと非現実なミステリになるかと……(非現実っちゃあ非現実なんだけど)。今作、実はトリックや犯人という面のみから見れば★×3くらいなんだけど、何より探偵役であるコモの解決の仕方が気に入ったので今後への期待も込めて★×4ということで。
夢水清志郎曰く、“名探偵の仕事は、みんなが幸せになれるように事件を解決すること”ですから。
て、見知らぬ実予南生にまでコアラパンダ君よばわりされる“まほろ”カワイソス。あと大村先生、いいおとこすぎ(←平仮名なのはまほろさん意識)
てなわけで。当ブログでは今後も古野まほろを応援していきます!
コモのCV.は意外と釘宮理恵とかいけそう。
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