2011.05/22 [Sun]
南山宏(監修)『謎の未確認生物 UMAミステリー』
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★★☆☆☆
ネッシーやイッシー、おなじみのカッパ、ツチノコ、獣人から、新型UMAであるチュパカブラ、スカイフィッシュまで、世界各地で目撃され続ける謎の巨大生物・珍獣・幻獣たち。世界中に潜む「未確認生物」の正体が、衝撃の証言とカラー写真でついに明かされる。
「スター・ウォーズ」やらミステリ小説やらUMAやら、いったい何のジャンルを扱っているんだと言われそうですが、基本的に個人的な趣味で当ブログは成り立っています。ご了承ください。
というわけで、目に留まったら読んでしまうのがUMAファンの性。本書はどうやら以前に発売されたものの文庫化らしく、この類の写真中心の本が文庫サイズになるのは非常にレアケース。中学時代から相当量のUMA関連書籍を読み漁り、図書館にない本は他区からの取り寄せ/購入リクエストまでして貰っていた私ですら文庫本だとジャン・ジャック・バルロワ『幻の動物たち』くらいしか思い浮かばない。あとは、かのハラルト・シュテュンプケ『鼻行類』くらい? 平凡社ライブラリーが文庫に入るのかは謎ですが。
で、内容の方は正直ダメダメです。この低価格でオールカラーを実現させているのとお手軽な図鑑としてUMAの名前をチェックすることにのみ、有意さが見出せる程度。それ以上でもそれ以下でもありません。
わざわざ言いたくはないのですけど、異次元がどうのとか言い出した時点でもうダメなんです。何それ。不思議さを煽っているつもり? 本文にそんなくだらないことを書いておいて、最後の監修者あとがきで理系的好奇心とか平気で述べてるわけですよ。バカなんじゃないの。
この類の本を手に取る客は「所詮ニセモノなのはわかってるけどつい買っちゃう」タイプだと断定し切って、“こういうことを書いておけば満足する”的な精神の下に書かれた匂いがモロにします。それじゃあいつまでもオカルト扱いでバカにされるだけなんだよ。なんでそれがわからないかな?かな? (竜宮レナちっくに)
発信している側がUMAに対して真摯に向き合っていないんだもん。そりゃあ未知動物学なんて言ったところで何も始まらないよ。
ニセモノだとわかっているものは本の中でばっさり切っておくべきなんです。スカイフィッシュはモーションブラー現象の産物でしょ? 河童のミイラはフクロウの嘴を取ったものでしょ? そういう話を知らないわけがないのにどうして不都合な部分を語ろうとしないのさ。
たとえスカイフィッシュが本当はいなくても、いないことを証明するまでの過程を辿るのもUMA研究の立派な楽しさじゃないですか。頼むから下手に逃げないでほしい。その点ではUMAをカテゴリ分類した上で「捏造」のジャンルまで設けた山口敏太郎『本当にいる日本の「未知生物(UMA)」案内』はガチで名著でした。
まあ『ムー』お抱えの南山宏が監修の時点で察しておくんなんし、ってことなんですかね。
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