2011.05/16 [Mon]
ジェームズ・ルシーノ『スター・ウォーズ 暗黒卿ダース・ヴェイダー(下)』
![]() | スター・ウォーズ 暗黒卿ダース・ヴェイダー〈下巻〉 (ソニー・マガジンズ文庫―Lucas books) ジェームズ ルシーノ James Luceno ソニーマガジンズ 2005-12 売り上げランキング : 247500 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★★★
スカイウォーカー、あんたが彼らを見つけても、そんなことは問題ではない。
オーダー66を生き延びたあらゆるジェダイを見つけて、殺したとしても問題ではない。
いまならわかる……フォースはけっして死なないのだ
突如として台頭した謎の執行者ダース・ヴェイダー。その前身が、ジェダイ騎士アナキン・スカイウォーカーだという事実を知る者は、隠棲したヨーダとオビ=ワン・ケノービ、そしてパドメの子供レイアを養女にしたオルデランのベイル・オーガナだけだった。一方、ヴェイダーはパドメが双子を産んだことを知らない。皇帝に異を唱える元老院議員の引き渡しを求め、ヴェイダーが突然オルデランに乗り込み、ベイル・オーガナは窮地に立たされる……。
下巻。オーダー66を生き抜いたジェダイの話というだけでも充分エポックメイキングな作品なのに、ここでさらにレイアの引き取り先であるオルデラン王室、パルパティーン批判の急先鋒ファング・ザーの逃亡、チューバッカを始めとするキャッシークのウーキーたちの行く末、デス・スター建造計画といった諸々の要素が絡み合い、旧三部作へのブリッジノベルとしての役割も大きく担っています。
メモリーワイプされたC-3POとのやりとりでR2-D2が記憶を保持したままなことも判明します。やっぱりアストロメク・ドロイドは作戦毎のメモリー消去が常態だったからなんでしょうね。まあディスプレイに文字として出さない限りはアナキンくらいしか彼の言葉はわからないですし。R2、アナキンのジェダイ聖堂襲撃→子供虐殺の映像データまで勝手にダウンロードしていますからね。結果としてこれらのデータが50年近く後になって「ダーク・ネスト三部作」でルークに対する爆弾になってくるわけですが、それはまた別のお話。
師を喪いながらも生き残ったジェダイを集めて一矢報いようとするパダワンのスターストーン。逃げ延びる過程で密輸業者の母と再会し、共に歩む決心を固めるシュライン。自分の立ち位置とシスであることに不確かさを覚えるアナキン。それぞれの“元”ジェダイの進む道が再び交わったとき、彼らがどう生きてゆくのかが決定される。この作品はひとつの群像劇なのです。
個人的に本書は映像化してもおかしくないと思うほどの内容。それがムリでも構想中のテレビドラマ版でぜひ実現させてほしい。そして欲をいえば『クローン・ウォーズ』のように、思わぬ形で劇場版にしてくれると嬉しい。
ヴェイダーが自分がアナキン・スカイウォーカーだと名乗るシーン。シュラインがヴェイダーに森の惑星で戦う勇敢な戦士たちと星のような爆発のヴィジョンを見たと語る場面。本書のラストバトルはSWきっての名シーンだと思います。
SWは好きだけど小説は読んだことがないという人には、まずはこの上下巻を強く勧めたい。損はさせません。
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