積読本は積読け!!

300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

Entries

ジェームズ・ルシーノ『スター・ウォーズ 暗黒卿ダース・ヴェイダー(上)』

スター・ウォーズ 暗黒卿ダース・ヴェイダー〈上巻〉 (ソニー・マガジンズ文庫―Lucas books)スター・ウォーズ 暗黒卿ダース・ヴェイダー〈上巻〉 (ソニー・マガジンズ文庫―Lucas books)
ジェームズ ルシーノ James Luceno

ソニーマガジンズ 2005-12
売り上げランキング : 249552

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

★★★★★
そう言うと思ってましたよ、将軍。
命令にそむいた罰がなんであれ、その危険をおかしてこうしたのは正しいことでした

共和国とジェダイ騎士団は滅び、皇帝パルパティーンが君臨する帝国が生まれ、銀河は暗黒時代へと突入。独裁政治の執行者ダース・ヴェイダーは、帝国に逆らう者や生き延びたジェダイを次々と血祭りにあげていった。やがてその名と黒い甲胄に包まれた異様な姿は、恐怖の象徴となる。しかし、甲胄の下でアナキン・スカイウォーカーはいまだ地獄の業火に焼かれているのだった。映画『スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐』の直後を描く小説。


 『エピソード3』を観たので再読。オーダー66を逃げ延びたジェダイたちのその後と共和国から帝国への移行に伴う銀河の変貌、ダース・ヴェイダーとなったアナキンがシスの道を受け入れてゆく過程が描かれており、「スター・ウォーズ」ファンなら一度は読んでおきたい小説でしょう。
 ヴェイダーになっても不満たらたら愚痴ばっかりなアナキンと、そんな弟子に対するイライラを懸命に我慢するパルパティーンが見られるのも多分この本だけ。恐怖の権化であるハズの帝国のトップ2が妙に人間くさいから困る。

 映画ではオーダー66の発布によって味方だと信じていたクローン兵に裏切られ、不意打ちの末に数多くのジェダイが命を落としましたが、果たしてそれで全員が死んだのか?というと甚だ疑問が残ります。また、オビ=ワンと強い絆で結ばれていたコマンダー・コーディがいとも簡単にジェダイ抹殺の命令に従ったことでその非情さが強調されています。しかし、クローンとて人間。感情があります。みんながみんな、そんな機械的な対応ができるわけがないと思った人も少なくないのではないでしょうか。
 それらに明確な答えを与えてくれるのがこの小説。クローン・トルーパーの中にも戦友たるジェダイを殺せという命令に逆らい、戦場から逃がしてくれた者がいた。
 映画でこれをやっちゃうと最終章として締まりがなくなってしまうけれど、こういうシチュエーションが見たかった! なんて熱い展開!!

 時系列的には『EP3』のまさに真裏から始まります。オビ=ワンがウータパウでグリーヴァス討伐に向けて動いている頃、他の星と同様に辺境のマーカナでもジェダイ・マスターのローン・シュラインらがトルーパーを率いて戦っていた。
 タイトルこそ『暗黒卿ダース・ヴェイダー』とありますが、本作の主人公はこのローン・シュラインです。ローンはアナキンやオビ=ワン、カウンシルのメンバーのように決して強いフォースの持ち主ではありません。自らのフォースに弱りを感じ、バトル・ドロイドを吹き飛ばすことさえままならない。言ってみれば本来モブキャラにあたるような存在です。
 そんな彼を敢えて主役に持ってきて、ジェダイ・オーダーが崩壊したとき、彼ら生き残ったジェダイはどんな道を選択するのか、オーダーの復興を目指し皇帝の打倒を目指すべきか、それともジェダイとしての生き方を棄てささやかな幸福を守るのかを描いてみせる。これが「SW」の懐の広さ。
 SWスピンオフではトップクラスの傑作です。


スポンサーサイト

Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

ご案内

プロフィール

はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

当ブログはリンクフリーです。
お気軽にどうぞ。

カレンダー

02 | 2017/03 | 03
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -

ただいまの積読本

現在:456冊                        目指すは未踏の500冊! 最新の15冊を表示。                 冊数をクリックするとすべての積読本を見られます。

ブログ内検索

作家別作品アーカイブ

過去の読書記録はこちらから。 作家名が五十音順に、それぞれシリーズごとに見られます。

評価について

★☆☆☆☆ 破り捨てたい衝動に ★★☆☆☆ うーん。これはびみょ(ry       ★★★☆☆ 普通に面白いです ★★★★☆ 一読の価値アリ ★★★★★ 殿堂入り                ★×4以上は自信を持ってオススメ  ★×5はとりあえず読んでほしい傑作

2014年のベスト5

2014年に読んだ小説の       (暫定)ベスト5はこれ!!

2012年のベスト5

2012年に読んだ小説の        ベスト5はこれ!!

2011年のベスト5

2011年に読んだ小説の          ベスト5はこれ!!

1.トリプルプレイ助悪郎(2007年刊)   2.名探偵に薔薇を(1998年刊)             3.化物語(2006年刊)          4.時砂の王(2007年刊)                  5.天帝の愛でたまう孤島(2007年)

最近の記事

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

アソシエイト

アクセス解析