2011.05/08 [Sun]
伏見つかさ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない(6)』
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★★★☆☆
だからこそあたしは、あんたをここに連れてきたかったんだよね。
リアにあたしの好きなものを見せたかった。
ヤバイ。桐乃ヤバイ。俺の妹マジヤバイ。まず偉そう。もう傲岸不遜なんてもんじゃない。超居丈高。「オマエ何様」って妹にきくと、「チッ」って舌打ちするだけじゃなく、その後腕組んで「うざい」って睨みかえしてくる。スゲェ! なんか遠慮とか無いの。妹なんだから兄貴のことを敬って、もっと仲良くしなきゃいけないんじゃ――と思っていた時期が俺にもありました。けど桐乃は違う。そんなの気にしない。むしろ誇らしげ。とにかくお前ら、ウチにいる妹のヤバさをもっと知るべきだと思います。そんなヤバイ桐乃と一緒にいる俺、超偉い。もっとがんばれ。超がんばれ。
「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」第6作。
新刊発売に備えて読了。あらすじだけじゃ何やってるのかさっぱりですね。第6巻は加奈子とブリジットちゃんのちょっと良い話に京介と赤城兄がエログッズ専門店に行く話、沙織のお宅訪問(素顔大公開!)に高坂家に桐乃の妹ことリアがやってくるエピソードとバラエティに富んだ内容。
天衣無縫に振る舞う12歳のリアにじゃれつかれる京介をきりのんがさんざんロリコン呼ばわりし、京介本人も自分はロリコンでなくシスコン云々と言い張っていますが、ちょっと待ってほしい。京介は高三だから16か17歳なわけで。リアとそこまで大きな年齢差があるわけでもなしにロリコンって表現はどうなの? 小学6年生、良いじゃないですか。可愛いは正義!
それはともかく。きりのん念願の妹的存在も現実はゲームのようにはいかず、世話を焼かされっ放しで京介の苦労を身をもって知る。単なる日常系コメディとしてならともかく、兄妹の物語としてはさすがに既刊5冊を経てネタ切れが近いんじゃないかと密かに心配していたりもしたのですが、まだまだ新しいアプローチが残っていてひと安心。
ここまでくるとはしゃいでいる桐乃、奮闘する桐乃を暖かい眼差しで見守っている気分の自分がいるから不思議です。最初はあれだけ最悪な印象だったのに。
桐乃と京介が喧嘩もなく普通にアキバ散策のルートを決めたりする何気ないところに感激したりして。ああ、もう好きすぎる。この作品。
クライマックスの応援でのセリフと最後のひと言は若干やりすぎ作為的な匂いはしたものの、総じて今巻も面白かったです。
クリフハンガーがあからさまに「釣り」なのは作品評価をマイナスにするだけだと思うんですけど。なんとかならなかったのかしら。
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