2011.04/25 [Mon]
映画『イーオン・フラックス』
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★★★☆☆
問題があるのはわかってる。ちゃんと感じてる。
でも、そんな中でも幸せを追い求めていきたいの。人生だもん。
2015年、ウィルスが発生。人類は絶滅の危機に陥り、98%が死滅。ワクチンでなんとか生きながらえた人類は、開発者トレバーの一族によって成り立つ政府の下、生活してきた。2415年、君主トレバー8世への暗殺指令が下る。圧政を憎む反政府組織“モニカン”が暗殺者として選んだのは美しき女革命戦士イーオン。要塞に乗り込んだ彼女は、ついにトレバーに銃を突きつけるが、イーオンを見たトレバーは彼女を別の名で呼ぶ。混乱するイーオンは、さらに想像を超えた驚愕の事実を知る。 (2005年 アメリカ)
地上波放送があったので録画視聴。
って、ぎゃあああああ!!
殺虫剤でハエを殺したらお尻から××が這い出てきたのがトラウマになっている私には、冒頭の瞬きシーンは生理的にムリ! Gは余裕で殺せるけどハエだけは絶対ムリ!! 怖い。超怖い。ありえない。
閑話休題。
序盤~中盤の全体像のわかり難さはイーオンと同じ「?」を観客に感じさせるものであくまでも意図的な範疇。それを考慮しても若干の説明不足と詰め込みすぎたのは否めませんが、ここまで酷評されているのはちょっと理解できない。類型的な作品が多い概要の中、僅か90分の映画で独自の世界観を創り上げることに成功している点はもっと評価されても良いと思います。
トレバーの要塞に侵入する際に見せるイーオンの蜘蛛走りなどは他のアクション映画とは明らかに一線を画すキモさ(シャーリーズ・セロン ファンの皆さん、すみません)
無駄に壮大な規模で展開するよりも、敢えて箱庭に閉じ込めて街ひとつぶんくらいの小ぢんまりとした物語に済ませたのも分相応。結果としてそれが作品そのものの根幹設定に合致しているわけで、生かせた生かせてないは別にして処理の仕方としては上々です。
この手のSFアクションとしては哲学的思想のかなり深い部分まで踏み入った珍しいタイプの作品でもあります。クローニングで永遠の生を受けるのが人として至福なのか、人生は一度きりだからこそ価値があり永遠に続くことは一種の拷問である、と捉えるか。モニカンに参加するイーオンと善良な一市民である妹の、政府を打倒して完全なる自由を手に入れたい/ささやかだけれど現状でも幸せな時間は決して少なくない という考え方の相違もどちらが正しくどちらが間違っているとも言えず、考えさせられる。外面に反して何気に硬派なんです、この映画。それにロマンチック。
テーマがテーマだけに敵方を誰も殺さないくらいの気概を見せても良かった気はしますけど、どちらにしても悪くない。
で、今月放送予定だった『殺人魚フライングキラー』はいつやるんだろ?だろ?(竜宮レナちっくに)
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