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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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筒井康隆『時をかける少女 〈新装版〉』

時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)
筒井 康隆 貞本 義行

角川書店 2006-05-25
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★★☆☆☆
いいえ、わたしにはわかるわ……きっと。それが、あなただということが……
放課後の誰もいない理科実験室でガラスの割れる音がした。壊れた試験管の液体からただようあまい香り。このにおいをわたしは知っている――そう感じたとき、芳山和子は不意に意識を失い床にたおれてしまった。そして目を覚ました和子の周囲では、時間と記憶をめぐる奇妙な事件が次々に起こり始めた。思春期の少女が体験した不思議な世界と、あまく切ない想い。


全3編から成る短編集で「時をかける少女」「悪夢の真相」「果てしなき多元宇宙」を収録。
 「時をかける少女」が短編小説だったとは知りませんでした。何度も映像化されていて若い世代にも馴染みのある本作。最近では2006年の細田守監督のアニメ版や昨年公開の劇場版から原作に入った人も少なくないようです。
 私はというと意外にもそのどちらも観ておらず、2002年のスペシャルドラマ『モーニング娘。新春! LOVEストーリーズ』の一編で「時かけ」に触れ、いつかは読んでみたい作品のひとつでした(別にモー娘。ファンではないのですけどこのドラマに与えられた影響は大きくて、同じくそのうちの一編だった川端康成『伊豆の踊子』も人生の課題図書の1冊です)

 どの短編も最初から最後まで淡泊かつ平坦な内容で、取り立てて惹き込まれるものがなかったのが残念。40年前に書かれた小説にこういって良いのかはわかりませんが、どれもありがちで大人になった現在わざわざ手に取るほどの本かなぁ、とは思います。「果てしなき多元宇宙」は語りたいことが前に出すぎて児童向けの訓話の域を出ないし、終わり方も完全に失笑もののギャグでしかない。「悪夢の真相」は昌子の話なのか弟の話なのかでブレている部分がある。
 表題作である「時をかける少女」は和子が彼を忘れてしまった後に、地の文で説明を加えるという野暮なことをやってしまっています。これはダメ。神視点でその名前を出したら喪失感が台無しです。

 本作が永遠の名作として語り継がれているのはおそらく映像による脚色、演出があってこそのことでしょう。小説単体で見るぶんには、さほど素晴らしい作品だとは感じなかった。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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1.トリプルプレイ助悪郎(2007年刊)   2.名探偵に薔薇を(1998年刊)             3.化物語(2006年刊)          4.時砂の王(2007年刊)                  5.天帝の愛でたまう孤島(2007年)

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