2011.03/26 [Sat]
映画『キサラギ』
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★★★★☆
アイドルは虚像――まさにそのものですね
2月4日、売れないアイドル・如月ミキの一周忌。家元の呼びかけによって、都内某所の一つの部屋にファンサイトで知り合ったオダ・ユージ、スネーク、安男、いちご娘の5人の男が集まった。愛するミキちゃんの追悼会として、思い出話に花を咲かせ、盛り上がるはずが、「彼女は自殺じゃない、殺されたんだ」という一言から事態は急変してしまう。もしかして犯人がこの中に……!? 次々と明かされる意外な事実。果たして如月ミキの死の真相は!? たった一つの部屋の中で生まれる謎は、誰も知らなかった思わぬ結末へと向かっていく……。 (2007年 日本)
地上波での深夜放送があったため録画視聴。本作のようなコメディ映画(それもワンシチュエーションもの)は本来の私の好みからすると170度くらい外れているのですが、参考にしているブロガーさんが邦画ミステリの傑作と絶賛していたので。
ヲタクたちが集まってくる序盤からやたらハイテンションで騒ぎまくり、「いや、まぁこれはこれで面白いんだけど――」と眺めているとオフ会が盛り上がってきたところで一転。オダ・ユージから如月ミキの自殺についての疑問が呈される。登場人物のやりとり内容に即して外の天気が変化するあたりはいかにも舞台劇な演出です。
初めのうちはひとりひとりをいちゃもん紛いに怪しんでいき、疑われた人間が新たな事実を明かすことでそれぞれの推理が覆されます。一通り疑い終わった後の二巡目には各々の如月ミキとの意外な接点が判明。最終的に家元が探偵役となり、そうしてばら撒かれていった伏線からくだらなすぎる「真相」をロジカルに組み上げていくまでの流れは圧巻です。
しかし、それすらもある事実によって突き崩されてしまい、再度仔細を詰め直さなくてはならなくなる。古野まほろの「天帝」シリーズを映像化したらこんな風になるんじゃないかと思う。すごいカタルシス。
推理の過程で関係者の「物語」を浮かび上がらせてハートフルに落とすところはさすがの古沢脚本。エンドロールの開いた口が塞がらないライブ映像からミステリ好きの血が騒ぐラストまで、大変楽しませて貰いました。
如月ミキのD級アイドルっぷりよりも如月ミキ役が酒井香奈子だっとことの方に驚いた。どこかで聴いたことのある声だと思ったら! TBSラジオの『酒井香奈子のかなえて! シャイニング☆ドリーム』とか、たまに聴いてたなー
音楽担当が『プリキュア』でお馴染みの佐藤直紀だったりと意外と縁のある作品でした。
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