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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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映画『ハートキャッチプリキュア! 花の都でファッションショー…ですか!?』

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ポニーキャニオン 2011-03-16
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★★★★☆
はい。でも――私は好きですよ。
何も知らない人同士が偶然出会って、お互いに影響し合いながら変わっていくとしたら。
どんな出会いも、意味のある大切なものだと思います。

ファッションショーに出るために、モデルとしてフランス・パリにやって来たつぼみたち。しかし、パリでは満月の夜に狼男が出現するという、不気味なうわさが広まっていた。そんな中つぼみたちは、空から舞い降りて来た傷だらけの少年、オリヴィエと出会う。さらには、デザトリアンがパリにまで現れ……。 (2010年 日本)


劇場版「プリキュア」シリーズ 第9作。『ハートキャッチプリキュア!』の劇場版です。
 えりかの母親が主催するファッションショーに出演することになり、つぼみ、いつき、ゆりの3人は来海家と一緒にパリへ。既に一行がパリに滞在しているところから物語はスタートします。とはいえ、この背景設定がきちんと作中で語られていないため、初っ端からいまいちわかり辛い。あらかじめあらすじを把握していないと、なんでパリ?? なんで歩く練習???ということになり兼ねない。これはちょっと致命的でした。つぼみのモノローグで説明させちゃった方が良かったと思います。
 他に粗さを感じたのはミラクルライト=こころの花の力を分ける行動の脈絡の無さと、狼男の噂が劇中でそこまで生きていないこと、男爵の寿命はどうなったのかという点ですね。しかしながら本作はドラマ>バトルで基本的にドラマパートは丁寧に描写されています。その短所を補って余りあるだけの出来であると断言だけしておきます。

 プリキュアではなくゲストに比重を置いたストーリーは『ハートキャッチプリキュア!』らしく、それ故に男爵とオリヴィエの「利用し/利用されていることを自覚しながら、擬似的な親子愛も併せ持っている複雑な関係性」は子供心にはやや理解が追いつかない部分があるかもしれません。
 えりかは自分の抱いていたコンプレックスについて聞かせ、いつきが“ぼくっ娘”である事情について話す。困ったときは他人にも頼るわと自然といってのけるゆり、どんなに拒否されて仲間が諦めても最後までオリヴィエの心を受け止めようと闘いを止めるつぼみ。それぞれが代わる代わるオリヴィエに対してアドバイスをしていく構成で、オリヴィエの視点から4人の成長が垣間見られます。これぞ劇場版。『ハートキャッチプリキュア!』の集大成というべき作品です。

 個人的に気に入っているシーンは2つ。1つ目はオペラ座での舞台的演出を意識したムーンライトVS男爵のバトル。映写機に映し出された映像を模して語られる最初のプリキュア・キュアアンジェとサラマンダー男爵の過去話やスポットライトを受けての戦闘など、普段の放送では試すことのできない実験的かつケレンの利かせた映像が面白いです。
 もう1つが泣いているつぼみと一緒にえりかが歩いている場面。まるで自分の子供のように接していたオリヴィエが自ら男爵の下へと戻ったと聞き、パリの街を彷徨いながら涙を零すつぼみ。えりかはその涙を拭ってやるでもなく、また寄り添ってやるでもなく、付いて来いと言わんばかりにつぼみの前をただ歩いてやる。ここは来海えりかというキャラクターと、つぼみとえりかの友人関係のカタチを明確に示してくれたシーンでもあります。ここが本当に素晴らしかったです。

 ちなみに。今回のキャラデザはテレビ版の馬越さんではなく上野ケンさん。馬越デザインを残しつつも歴代のプリキュアらしい絵柄に仕上げられています。この作画のつぼみはかなり可愛いですね。テレビシリーズも是非これでやってほしかった!!


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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