2011.03/18 [Fri]
竜騎士07『ひぐらしのなく頃に 第一話 鬼隠し編 (上)』
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★★★☆☆
してないかな? 嘘や隠し事。……してないかな?
昭和五十八年。のどかな雛見沢村に伝わる秘祭・綿流しに潜む決して犯してはならない禁忌に触れたとき、転校生・前原圭一の“日常”は“非日常”の惨劇に一瞬にして染まっていく……!
「ひぐらしのなく頃に」第1作。
講談社100%出資の新設子会社・星海社によるライトノベルレーベル「星海社文庫」の第1弾ラインナップ作品。講談社BOXからまさかの文庫化になるのですが、それも当然。星海社の代表取締役副社長は“健康より原稿”の迷言でお馴染み、元文三にして講談社BOX編集長だった太田克史。
小さな愛蔵版と銘打った本レーベルは紙質から使用フォントまで拘り抜いた逸品を目指し、他のラノベレーベルと一線を画す本づくりを目指しているようです。私的な意見としてはハードカバーと同じものよりもハヤカワ文庫のややオレンジ掛かった紙の方が高級感があって好きかな。しかしページを捲ればカラーイラスト、という文庫はいままでになかったもので心躍ります。
で、本編は……やっと読み終わったー! というかですね、本題に入るまでがめちゃくちゃ長い。およそ300ページ過ぎたところでようやくオヤシロ様の祟りだの人死にだったりが出てきて物語が動き始めます。それ以前の部活動でのゲーム勝負なんてここまで長く描写する必要もないし、ぶっちゃけ不要といっても良いくらい。日常と非日常の落差を表現したいのはわかるけれど、それにしたって無駄な部分が多すぎる。
レナの本名や制服についても本編中に挿入すれば良い話で、サウンドノベル→小説への移行に際してはもっと大胆に推敲・編纂し直してほしかったです。特に竜騎士07の文章はクセが強いので、最初のうちは読み進めるのが相当きつい。
ヒロインたちはこれでもかというくらいにキャラっぽい。沙都子の喋り方に違和感を覚え、梨花ちゃんの口癖には首を傾げ、レナのわざとらしいはぐらかし方に腹立たしさを感じ……唯一、魅音が自分のことを「おじさん」と自称するあたりだけが良いと思える部分でした。や、キャラクター的には梨花ちゃんが好きなんですけど。ビジュアル的にも超可愛い上にCV.田村ゆかりだもん。しかしあまりにもキャラ付けがはっちゃけていたのでひと言だけ、物申したくなってしまった次第です。昭和五十八年!
何はともあれ、まだ上巻。怪しさを微塵も隠さず不安感を煽るレナの引きで、俄然下巻の期待が高まります。ホラーはあまり親しみのないジャンルですが、このチラ見せ加減は絶妙です。普通に怖い。
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