FC2ブログ

積読本は積読け!!

300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

Entries

西尾維新『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い』

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)
西尾 維新 take

講談社 2002-02-07
売り上げランキング : 33151

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

★★★★★
全てが結果なのだと、私は思うけれどね。
きみはまさか《天才が天才であり天才であり天才である》
なんて、おばかなことを考えているんじゃないだろうね?

絶海の孤島に隠れ棲む財閥令嬢が“科学・絵画・料理・占術・工学”、5人の「天才」女性を招待した瞬間、“孤島×密室×首なし死体”の連鎖がスタートする! 工学の天才美少女、「青色サヴァン」こと玖渚友(くなぎさとも)(♀)とその冴えない友人、「戯言遣い」いーちゃん(♂)は、「天才」の凶行を“証明終了(QED)”できるのか?


第23回メフィスト賞を受賞した西尾維新のデビュー作で「戯言」シリーズ 第1作。
 わが人生を変えたといって良い1冊。およそ8年振りの再読。それも4読目か5読目です。
 いま現在、私の部屋には講談社ノベルスが84冊あるのですが、そもそも講談社ノベルスを読み漁るきっかけになったのがこの本であり、本格ミステリの面白さに目覚めたのも本作(小学生時代は乱歩の「少年探偵」シリーズやアガサ・クリスティ『オリエント急行殺人事件』、はやみねかおるなどを読んでいたものの、明確にミステリが好き!というわけではありませんでした)
 この作品がなければお気に入りのメフィスト賞作家たちに出逢うこともなかったし、ともすれば読書の嗜好すらまったく違っていたかもしれない。そのくらいの衝撃を受けた作品です。

 西尾維新の最大の魅力はやはり文章の語感の良さと特有の様式美にあると思います。ページを開いたときに文字の並びに美しさを感じるというのはそれまでの読書体験では得られないものでした。

つまるところ。
また、密室なのだった。
二つ目の首斬り死体に、二つ目の密室。
二度目の首斬り死体に、二度目の密室。



――と、こんな具合で文が並びます。
 文字数や音(韻)を上手く合わせて、見た目を整える。この場合だと1行目→3行目まで段々に文が長くなっていき、3行目と4行目の文字数が一緒。読んでいて、見ていて非常に心地良い。西尾維新といえばキャラクター造形や時に哲学的だったり、軽妙でおふざけ満載なウィットに富んだ会話ばかりが取沙汰されがちですが、個人的に注目すべきはこの部分だと思います。
 そんな感覚を堪能したい場合、“画”として映えるのは断然ノベルス二段組みです。文庫だと上から下まで文字がびっしりでいまいち綺麗でなく、俯瞰した際の美しさがわかり難いです。

 ミステリとしても大変面白く、一風変わった首斬りの論理については読み始める段階でメタ的な伏線、大きなヒントが与えられています。この論理と三つ子メイドの存在をステップに事件解決後に明かされるとある悪戯の存在、さらにその上位の解決へと繋げていく様は見事です。
 最近はミステリから離れていると言われる西尾維新ですけれど、「刀語」「りすか」は与えられた伏線から攻略方を推理するミステリ、「化物語」でさえ構造的に見ればミステリ的技巧を孕んでいる。そのすべての原点が本書にあります。


これを読まないでいるのは読書生活上の大きな損失。未読の方は是非に。
ただし、キャラっぽすぎるので小説にリアリティを求める人は――て、表紙絵の時点で相応の覚悟はできてますよね?


スポンサーサイト



Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

ご案内

プロフィール

はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

当ブログはリンクフリーです。
お気軽にどうぞ。

カレンダー

05 | 2020/06 | 07
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 - - - -

ただいまの積読本

現在:456冊                        目指すは未踏の500冊! 最新の15冊を表示。                 冊数をクリックするとすべての積読本を見られます。

ブログ内検索

作家別作品アーカイブ

過去の読書記録はこちらから。 作家名が五十音順に、それぞれシリーズごとに見られます。

評価について

★☆☆☆☆ 破り捨てたい衝動に ★★☆☆☆ うーん。これはびみょ(ry       ★★★☆☆ 普通に面白いです ★★★★☆ 一読の価値アリ ★★★★★ 殿堂入り                ★×4以上は自信を持ってオススメ  ★×5はとりあえず読んでほしい傑作

2014年のベスト5

2014年に読んだ小説の       (暫定)ベスト5はこれ!!

2012年のベスト5

2012年に読んだ小説の        ベスト5はこれ!!

2011年のベスト5

2011年に読んだ小説の          ベスト5はこれ!!

1.トリプルプレイ助悪郎(2007年刊)   2.名探偵に薔薇を(1998年刊)             3.化物語(2006年刊)          4.時砂の王(2007年刊)                  5.天帝の愛でたまう孤島(2007年)

最近の記事

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

アソシエイト

アクセス解析