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『相棒 Season 9』、総括。

今年の『相棒』は全18話+劇場版の計19本。
前年 Season 8 ははっきりいってクオリティ的には最悪で、
私の中での最低レベルだった Season 6 より下、『相棒』史上もっともつまらないシーズンでした。
本気でこの先を心配したほどです。

しかし、今回は違います!
Season 9 は傑作揃い、粒揃い。
相変わらずシーズン毎で出来の落差は激しいとはいえ、とりあえずは持ち直してくれました。

それでは、
最終回の余韻も冷めやらぬうち、今シーズンの総括いってみましょう。

☆=シリーズ屈指の名作
◎=名エピソード
○=及第点
△=微妙な出来
×=最悪。論外。


○第1話 顔のない男
○第2話 顔のない男~贖罪
○第3話 最後のアトリエ
◎第4話 過渡期
◎第5話 運命の女性
◎第6話 暴発
◎第7話 9時から10時まで
◎第8話 ボーダーライン
○第9話 予兆
○第10話 聖戦
△第11話 死に過ぎた男
△第12話 招かれざる客
☆第13話 通報者
○第14話 右京のスーツ
○第15話 もがり笛
◎第16話 監察対象 杉下右京
〇第17話 陣川警部補の活躍
◎最終話 亡霊

◎相棒 -劇場版Ⅱ- 警視庁占拠!特命係の一番長い夜


てな感じで一目瞭然ですね。18話中8話が◎以上。
特に「通報者」は社会派と人情、ミステリ的技巧のすべてに秀でた『相棒』史に残る名エピソードです。
ノベライズの際には地の文の表現にきちんと気を払って、叙述トリックで存分に魅せてほしい。

巷で評判の高い「ボーダーライン」も「通報者」と方向性は似ています。
どちらも特命係視点というよりは完全にゲストの物語。「聖戦」もそうですね。
特命のふたりはあくまでも介入者、というスタンスの話が多かったように思います。

チャレンジャーな作風が目立ったのは「9時から10時まで」
難点はありましたが私はすごく好きです、この回。
リアルタイム進行は元より、犯人サイドの“相棒”を描いて見せた点でももっと評価されて良い。
友情・愛情・仲間の絆は何も主人公側に限ったものじゃない。悪魔にだって友情はあるんだ!ってやつです。
そういう意味で、紛れもなくこの話は『相棒』でした。

で。
チャレンジャーといえばこれなしに語れないのが『劇場版Ⅱ』
レギュラーシーズン放送中にシリーズの最重要キャラを殺すという暴挙ともいえる展開に打って出たスタッフ。
亀山薫退場と同じく、私はこれには大賛成です。

『相棒』という作品が大河的な流れを持つ以上、常に状況が変わっていくのは当然のことだし、
それをやらないとマンネリでつまらない作品となってしてしまう。
キャラ萌えという点に甘えることなく、縦軸の物語を紡いでいく姿勢には本当に頭が下がります。

私としては神戸尊離反も充分に有り得る――というか、むしろやってほしいくらい。
「暴発」を最たる例として、今シーズンを見ていると神戸君と右京さんの決裂への布石を打っている気がします。
神戸君は右京さんの下に残ったけれど、薫ちゃんのように全身全霊で右京さんを信じるタイプではない。
スタッフインタビュ-などでさんざん言われているとおり、上昇志向も捨てていない。
そこが神戸君のらしいところです。だからこそ意見を違えて出ていくシチュエーションもムリなく描けます。
何よりそれが、杉下右京の危うさを真正面から見せることにも繋がる。



他に今後の希望としては……

・孤島もの
・怪盗もの
・サバイバルミステリ
・全編POV(ハンディカメラ映像)
・全編モノクロ
・杉下右京逮捕(冤罪)
・杉下右京少年の事件簿
・むしろ右京さんが出ないで神戸君オンリー回
・神戸君が推理で右京さんを下す
・薫ちゃん一時帰国
・探偵の矢木さん再登場


ですかねー ざっと挙げると。

それから世界観壊すことになり兼ねないけれど、捜査一課9係とのクロスオーバーはまた見たい。
『9係』の最終話で浅輪君と加納係長が歩いていて廊下で特命係とすれ違う程度でも良いので。

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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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