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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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アニメ総評:『ハートキャッチプリキュア!』

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ポニーキャニオン 2010-06-16
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★★★★☆
憎しみのまま闘えば、きっと敗けてしまいますっ
悲しみや憎しみは、誰かが歯を食いしばって断ち切らなくちゃダメなんです!

花咲つぼみ”は花や植物が大好きな中学2年生。内気でオシャレにも興味がなく、メガネをかけた冴えないスタイル。おばあちゃんが住んでいる希望ヶ花市への引越しを期に、内気な自分をイメチェンしたいと思い私立明堂学園に転校してくる。しかし、強引でマイペースなクラスメイト“来海えりか”に振り回され、彼女とどう向き合えばいいのか戸惑ってしまう。そんなつぼみの前に、こころの大樹の妖精・シプレとコフレが現れる。更に、彼らを追ってきた悪の組織“砂漠の使徒”の一人・サソリーナが、ションボリしていたえりかのこころの花を奪ってしまう。彼女を救うため、つぼみはプリキュアに変身することを決意。大地に咲く一輪の花“キュアブロッサム”が誕生する! そして、キュアブロッサムのピンチをきっかけにえりかもプリキュアに変身! 海風に揺れる一輪の花“キュアマリン”として敵に立ち向かいます! 全49話。


「プリキュア」シリーズ 第7作。
 頭身が高かった前作とは打って変わり、今回はミニマムなふたりが頑張ります。『おジャ魔女どれみ』以上にクセのある画風で馴れるまでにかなり時間が掛かりました。
 そんな不安要素も馴れてしまえば何のその。気付いたときにはプリキュア史上最高に可愛い妖精たちと、プリキュア史上最低身長のウザカワキャラ・来海えりかの虜に。見事にハートキャッチされてしまいます。
 『ハートキャッチプリキュア!』の8割はえりかの魅力でできていると言って良いですね! あとの2割のうち1割がムーンライト(ゆりさんではない)の美しさ、残りの1割はブロッサム=つぼみの精神的成長です。本当の自分を抑え込んで周りが期待する男の子っぽさを演じているいつきがサンシャインに変身した際、一人称が「ぼく」から「わたし」に変わる細かな演出もグッド。

 『ハートキャッチプリキュア!』のタイトルからもわかるように、本作は“心を受け止める”物語。敵である砂漠の使徒は弱った心の持ち主を利用してデザトリアンを生み出し、世界を砂漠に変えようとする。それぞれの人間が抱えるコンプレックスを主題にしつつも、安易に否定したりせずにそれも「あなたらしさ」なんだよ、としっかり受け止めてあげる。
 「個性」というのは「プリキュア」シリーズの重要なファクターです。ひとりひとり違って当然なのだけど、人はどうしても自分と他人を比べてしまい、思い悩む。今回はそれがより如実に表れている作品。心の内面の部分にかなり深く踏み込んだ作風はなかなか見応えがあります。

 プリキュアも決して例外ではありません。引っ込み思案な自分を変えたいと思うつぼみ、モデルの姉に憧れつつも劣等感を感じるえりか。仲間を作らず自分ひとりで戦えると信じた結果、パートナーの妖精を喪い、変身能力も失われた先代プリキュア・ゆり。いつきに関しては先述のとおり。
 彼女たちが出逢い、触れ合い、日常生活と戦いを通して新しい一歩を踏み出す――チェンジしてゆく過程が本作『ハートキャッチプリキュア!』なのです。つぼみたち4人が過去の自分と対峙する第37話「強くなります!試練はプリキュア対プリキュア!!」はひとつの到達点といえるでしょう。
 そして第48話「地球のため!夢のため!プリキュア最後の変身です!」でのつぼみがゆりを一喝するシーンはこの作品の集大成。『プリキュアオールスターズDX2』で強敵の前に心が折れそうだったあのつぼみが、ここまで大きくなりました。根っこの部分は変わっていません。相変わらず泣き虫で、スマートさのカケラもない説得です。他のシリーズのリーダー格のようにみんなを率先して引っ張っていくタイプではない。そんな彼女の言葉がここまでの重みをもって心に響いてくる。もう感動ですよ。何だこのアニメは、と。

 もうひとつ特徴的なのが、今回の敵キャラの仲間意識の強さ。はっきり言って敵の幹部が散った回でここまで涙を誘う作品もそうないですよ。第40話「さよならサソリーナ…砂漠にも咲くこころの花です」は倒した側のプリキュアたちがサソリーナの想いに感化され、コブラージャとクモジャキーに看取られて逝くその最期を哀しげな表情で見つめるのが印象に残ります。これも敵味方関係なしに相手の心を受け止めているからこそ、なんですよね。

 こころの花が枯れている人間=ゲストがいないと話が成り立ち難い構成から、クライマックスで設定がおろそかになりゲストの扱いがおざなりにならないか心配でしたが、そんなこともなく。前半、多少テンプレな回もあったものの、右肩上がりに素晴らしくなっていった『ハートキャッチプリキュア』。最後の最後まで綺麗に〆てくれました。
――ってあのラスト、『おジャ魔女どれみナ・イ・ショ』の最終話っぽかったけど意識してたのかな?


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

当ブログはリンクフリーです。
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