2011.02/20 [Sun]
映画『アイアンマン』
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★★★☆☆
真実は……私が、アイアンマンだ
自社兵器のデモ実験に参加したトニー・スタークは、テロ組織に拉致され兵器の開発を強要されてしまう。だが天才発明家でもある彼は、敵の目を盗み、戦闘用パワードスーツを作り出し脱出に成功。その後、自社兵器がテロ組織に悪用されていたことを知り愕然としたトニーは、最先端の技術を駆使し、圧倒的な破壊力を持つ新たなパワードスーツを開発。テロを撲滅するため“アイアンマン”となり、命をかけて戦うことを決意する! (2008年 アメリカ)
「アイアンマン」第1作。
評判のアメコミ映画を地上波放送があったので視聴。D級映画『チュパカブラ』の次のレビューが超A級規模の『アイアンマン』とは落差が激しいな。
メタリックな外観を持ちながら意外にスマートなフォルム。高級感のある上品な色遣いとは対照的な無機質でゴツいフェイスパーツ! アイアンマンの可動フィギュア、欲しくなりますねぇ。特リボで出てるんだっけ?
テロリストに拉致られた先で即興でパワードスーツを設計、組立て、実戦までこなしてしまうハチャメチャっぷりがすごい。脱出の際に壊れてしまったスーツのアイディアを元にマーク2、マーク3と試作を重ねて完成品をハンドメイドしてゆくというのは斬新で、それに没頭するトニーの姿は、まるで新しいおもちゃを作ることに至上の喜びを感じる子供のようです。
そこが本作の主人公の性格を端的に表した描写であり、また納得し難い部分でもありました。トニー・スタークは軍事兵器製造会社のやり手社長にして、やりたい放題好き勝手の自由気ままな性格の持ち主。女性記者に“死の商人”と呼ばれていることについてどう思うか、と問われても何にも気にすることなく飄々としています。彼は、自社の兵器が人を殺す道具であることは十二分に承知しているし、それを認めている。そういう男です。
そんなトニーが自分の造った武器が人々を苦しめていることを目の当たりにして、いまさらのように考えを改めるというのがどうにも不自然極まりない。そのくらいの可能性はトニーだって重々承知なハズなのに、この心境の変化がおざなりに処理されている気がして。
命の恩人であるインセンの末期の言葉が大きかったのはわかります。わかるからこそ私としては、それを受けて兵器製造を止めると明言した後で、嬉々としてアイアンマン計画に乗り出す姿に違和感を覚えたのです。拉致現場からの生還以降、思いっきりシリアス方向にキャラを振るくらいしても良かったと思う。
マーク2の装着テストでの飛行シーンを見ちゃうと、結局トニーのやっている行為が自己満足な金持ちの道楽にしか見えなくなってしまうんですよね。それが力のある人間の行動なので、結果として絶大なる善行として働くのだけど、トニー・スタークが“ヒーロー”と呼べる存在であるか否かについては疑問符がつくところです。
少なくとも私の抱くヒーロー像は、こういうものじゃない。――とか、特ヲタの戯言ですけど。
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