2011.02/05 [Sat]
ジャン=リュック・クードレイ『かものテオクリート -釣り修行-』
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★★★★☆
もし 水のなかで魚よりゴミのほうがおおければ 川はよごれていることになるのかね?
ある日、テオクリートは釣りをしようとおもった。道具を買いに出かけ、川に糸を垂れ、着々と準備を進めるテオクリートだったが、一向に魚は掛からない。フランスのふたごの作家クードレイ兄弟による『まちがいペンギン』『まちがいネコ』に続くテツガク絵本第3弾。
「テツガク絵本」第3作。
手に取ったが最後、ついつい全部読んでしまうテツガク絵本。全6冊のこのシリーズ、私が持っているのは『まちがいペンギン』『まちがいネコ』『まちがいペンギン あんこーる』、そして本書『かものテオクリート -釣り修行-』の4冊のみ。本作には『かものテオクリート -パパは会社で-』という続編もあるようで、いつかは入手したいと考えています。
この『テオクリート』はシリーズ他作品とは異なり、マンガになっています。しかし、いつものシュール&シニカルなクードレイ節はそのまんま。表紙絵(残念ながら、表示されないですね……)からして笑ってしまいます。このセンスは唯一無二。
テオクリートの不遜な性格も手伝って毒気もかなりのもの。釣具店に魚が売ってあったり、釣果が揮わなくてテオクリートの性格がどんどん悪くなっていったりとブラックユーモアたっぷりなのが酷い(褒め言葉)
嫉妬心から他の釣り人たちに「きみたちみんなが死ぬゆめをみたよ!」と言い始めるあたり、とても健全な絵本だとは思えない。人間の汚さというものがよく出ています。かもだけど。
間違いなく子供に読ませちゃいけない本です。ただし大人の方々、これはハマります。『まちがい~』よりも毒気を含んでいるぶん、こちらの方が意地悪く笑えるかもしれない。かもだけに。――すみません。言ってみたかっただけです。
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