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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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伏見つかさ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない(5)』

俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈5〉 (電撃文庫)俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈5〉 (電撃文庫)
伏見 つかさ かんざき ひろ

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★★★★☆
あなたが私に構うのは、いままで世話を焼いていた妹がいなくなってしまったからよ。
私が年下で、女で、悩みを抱えていそうだから。

「じゃあね、兄貴」――別れの言葉を告げ、俺のもとから旅立った桐乃。……別に寂しくなんかないけどな。そして新学期。平穏な高校生活を謳歌する俺のもとに、奇妙な後輩が現れる。俺は、黒猫の人間としての仮初めの名を知り、より深い“絆”を築いていくことになる。“妹”と“親友”。ともに大きなものを失った二人は、数多の思想が渦巻く校内で、“魔眼遣い”の少女と対峙する。“稀少能力”を持つ少女に、俺と黒猫は圧倒され、異空間へと誘われ……!! “日常”と“非日常”が交差するとき、物語は始まる――。


「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」第5作。
 なんだかあらすじが大変なことになっていますが、心配ご無用。いつものとおりの「俺妹」でした。
 こんな“いかにも”な紹介文になっている理由はただひとつ、今巻は桐乃ではなくて黒猫の物語だからです。他人とのコミュニケーションを苦手とし、自分のセカイをつくることで逃避してきた黒猫。やっとできた“本当の自分を見せられる相手”は何も言わずに姿を消し、高校生活という新しい環境が立ちはだかる。そこを乗り越えていく黒猫こと五更瑠璃の成長譚。

 クラスの人間の誘いを無下に断り、人間関係を上手いこと構築できない黒猫はどんどん孤立していきます。そんな彼女をわれらが語り部・高坂京介が放っておけるわけもなく、なんとかしてやりたいと色々動いてみるのですが……。
 本作の秀逸な点は、黒猫に「私はあなたの妹の代替品ではない」と言わせた部分に尽きます。だってそもそも、今回黒猫がフィーチャーされているのは桐乃の海外留学という事情に依っています。ということは裏を返せば、きりのんが日本にいればこういった展開になることもなかった。
 桐乃がいないからその代わりに京介が世話を焼く相手が必要だった、というのはメタ的に見ても非常に的を射た指摘で、読者全員が暗黙の了解のうちに読み進めていた事実でもあります。皆がさも当然のように受け止めていたことなのです。それをずばり突いてきたこのセリフには目が覚めるような思いでした。

 そして、その指摘があったことでこのストーリーが黒猫単体の成長譚でなく、妹を失った京介の物語としての側面を持たせることにも成功しています。桐乃が不在であっても、確かに高坂兄妹の話になっている。すごいね、伏見つかさ。
 むしろ取って付けたような桐乃パートは次巻に回しても良かったんじゃないかというくらい、きちんと成立していました。

新学年突入で新キャラ(一部、前巻に思わぬ伏線)も何人か出てきました。ゲー研部長、頼りになるぜ!!


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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