2011.01/26 [Wed]
相棒 Season 9 第13話「通報者」
★★★★★
生け花教師・俊子が絞殺された。右京と尊は、身分を明らかにしなかった通報者が中学生の祐太であることを突き止める。病気の母親と幼い妹の3人で生活保護を受けながら暮らしている祐太は、面倒なことに巻き込まれたくなかったという。が、右京らはそんな祐太に疑問を抱く。祐太が俊子と知り合いであることがわかった。本人は俊子を知らないと言っていたが尊が問いただすと、祐太は万引きを目撃され俊子に脅されていたという。しかし、その万引きもウソ。なぜウソをつくのか? 一方、右京は祐太が通う中学校で盗撮事件があった事実をつかむ。しかも事件発生当時、俊子は華道部の指導で学校に出入りしていた。
やるじゃん、太田愛!!(上から目線)
“泣かせ”に走りすぎてミステリ的に微妙なエピソードを連発していた前シーズンから登板の太田愛ですが、今回は伏線、ミスディレクション、誤導、ゲストのドラマ etc…すべて良しの完璧な出来栄え。事件関係者の諸事情が見えてくるにつれて単純そうな事件がどんどん複雑化していく様、目につく不自然な行動。それらすべてを解決編において一本筋にまとめ上げた今週の放送は本格ミステリとしても『相棒』全話中トップクラスだと思います。
神戸君が石を蹴ったシーンだけ若干あからさまに映しすぎていましたが、それはまぁ目を瞑りましょう。何故ならその他の部分で素晴らしすぎたから。
(以下ネタバレあり)
実際、裕福でもないあの家庭が脅迫のネタとして手取られるなら十中八九生活保護の不正受給関連だと一度は疑うものの、布団の中から半分起き上がりながら返事をする“母親”を見ているだけに、まさか親がいなかったとは思わない。顔を見せないで上手い具合に存在感をアピールすることに成功しています。
溝口君が華道を習っていた女の人(既に名前忘れた orz)へ電話を掛けるシーン含め、視聴者への見せ方をわかってるなぁという感じ。あの段階だと完全に犯人にtel.だと思うもの。ばっちりミスリードされました。
で、こちらが不正受給説を頭の外に追い出した頃に出てくるのが、盗撮関連の話。それらしい話がフックとして用意されているわけです。視聴者の関心が溝口君方面のミスディレクションに向いている隙に、ちゃっかり本当の伏線を当該夫に逃げられた女の人の失踪月の方に張っていたのにも、やられた感満載。
よくよく思い返してみると、学校の先生の「以前は殴り返して母親に来て貰うこともあった」という台詞も伏線だったんですよね。ぜんぜん気付かなかった。
事件関係者に必要以上に感情移入してしまう神戸君と、溝口君の最後に落ちた時の表情には、かなりぐっときました。結末も一見前向きであるけれど、肝心のゆめちゃんには笑顔が見られず、もの哀しさを助長させます。
ぱっと見普通のエピソードですが、そこに潜むテクニックは超絶。
「Season 9」では間違いなく最高作です。
生け花教師・俊子が絞殺された。右京と尊は、身分を明らかにしなかった通報者が中学生の祐太であることを突き止める。病気の母親と幼い妹の3人で生活保護を受けながら暮らしている祐太は、面倒なことに巻き込まれたくなかったという。が、右京らはそんな祐太に疑問を抱く。祐太が俊子と知り合いであることがわかった。本人は俊子を知らないと言っていたが尊が問いただすと、祐太は万引きを目撃され俊子に脅されていたという。しかし、その万引きもウソ。なぜウソをつくのか? 一方、右京は祐太が通う中学校で盗撮事件があった事実をつかむ。しかも事件発生当時、俊子は華道部の指導で学校に出入りしていた。
やるじゃん、太田愛!!(上から目線)
“泣かせ”に走りすぎてミステリ的に微妙なエピソードを連発していた前シーズンから登板の太田愛ですが、今回は伏線、ミスディレクション、誤導、ゲストのドラマ etc…すべて良しの完璧な出来栄え。事件関係者の諸事情が見えてくるにつれて単純そうな事件がどんどん複雑化していく様、目につく不自然な行動。それらすべてを解決編において一本筋にまとめ上げた今週の放送は本格ミステリとしても『相棒』全話中トップクラスだと思います。
神戸君が石を蹴ったシーンだけ若干あからさまに映しすぎていましたが、それはまぁ目を瞑りましょう。何故ならその他の部分で素晴らしすぎたから。
(以下ネタバレあり)
実際、裕福でもないあの家庭が脅迫のネタとして手取られるなら十中八九生活保護の不正受給関連だと一度は疑うものの、布団の中から半分起き上がりながら返事をする“母親”を見ているだけに、まさか親がいなかったとは思わない。顔を見せないで上手い具合に存在感をアピールすることに成功しています。
溝口君が華道を習っていた女の人(既に名前忘れた orz)へ電話を掛けるシーン含め、視聴者への見せ方をわかってるなぁという感じ。あの段階だと完全に犯人にtel.だと思うもの。ばっちりミスリードされました。
で、こちらが不正受給説を頭の外に追い出した頃に出てくるのが、盗撮関連の話。それらしい話がフックとして用意されているわけです。視聴者の関心が溝口君方面のミスディレクションに向いている隙に、ちゃっかり本当の伏線を当該夫に逃げられた女の人の失踪月の方に張っていたのにも、やられた感満載。
よくよく思い返してみると、学校の先生の「以前は殴り返して母親に来て貰うこともあった」という台詞も伏線だったんですよね。ぜんぜん気付かなかった。
事件関係者に必要以上に感情移入してしまう神戸君と、溝口君の最後に落ちた時の表情には、かなりぐっときました。結末も一見前向きであるけれど、肝心のゆめちゃんには笑顔が見られず、もの哀しさを助長させます。
ぱっと見普通のエピソードですが、そこに潜むテクニックは超絶。
「Season 9」では間違いなく最高作です。
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