2011.01/19 [Wed]
クリスチャン・リース・ラッセン『海の宝もの』
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★★★★☆
ええ、そうよね。ちゃんと伝えるわ。
この目で見たことを、かならず、みんなに話します
誕生日の夜、少女アテランタは夜の深く静かな海を見つめていました。すると、月明かりの下、一頭のイルカが現れて、彼女を海の世界へ案内してくれるといいます。マリンアーティスト、ラッセンが贈るメッセージ絵本。
特に意識したわけでもないのに年に1冊の絵本感想。引っ越しの際に出てきたもので、小学生の頃にラッセンの絵画展を見に行ったとき買って貰った本です。
ラッセンといったらハワイ、海、イルカ。鮮やかな色づかいなのにどこかノスタルジーを感じさせる絵画は、眺めているだけでそこに描かれる陽の光へ吸い込まれそうなほどに美しい。クリスチャン・ラッセンの夕陽には思わず目を細めてしまうような眩しさがあり、すべての生き物が目指す希望への道標としての意味合いも感じさせます。
本作のテーマはシンプルに“この美しい海を守っていってほしい”という環境保全のメッセージ。ストーリー自体も短く、これが単に物語だけであったのなら、ここまでの感銘は受けないと思います。しかしこの本の、文に添えられた絵の数々。ハワイの海の息を呑むような綺麗さがダイレクトに伝わってくるので有無を言わさぬ説得力を伴っています。こんなに素晴らしい世界を、いったい誰が汚せるというのでしょう?
子供にはこういう本を読ませてあげたいですね。われわれ大人も、きっと自戒の心を喚起させられるハズ。
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