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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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伏見つかさ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない(2)』

俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈2〉 (電撃文庫)俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈2〉 (電撃文庫)
伏見 つかさ かんざき ひろ

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★★★☆☆
超絶クールに礼を述べたこの俺に対し、
あたしの兄貴が、こんなに可愛いわけがない――つい、そう想ってしまったに違いない。嘘だが。

冷戦関係にあった妹・桐乃からとんでもない秘密をカミングアウトされ、ガラにもなく相談に乗ってやる―という思い出したくもない出来事からしばらく経つが、俺たち兄妹の冷めた関係は変わりゃしなかった。ところが“人生相談”はまだ続くらしく、「エロゲー速攻クリアしろ」だの「不快にした責任とりなさい」(どうしろと?)だの見下し態度全開で言ってくるからマジで勘弁して欲しい。誰だこんな女を「可愛い」なんて言う奴は? でまあ今回俺に下った指令は「夏の想い出」作り(?)。どうも都内某所で開催される、なんたらとかいう祭りに連れてけってことらしいんだが……。


「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」第2作。
 今回のミッションはコミケデビュー、そして友達バレ。
 いつもながらに高圧的なきりのんからの人生相談→ヲタ仲間と楽しむ→難局→京介奮闘、と全体の流れとしては前巻と同様で、パターン化してしまっているところがやや気になります。とはいいつつも落ち込む妹のためになんとかしてやろうとする京介の姿に、前回と同じところで感動して涙腺じんわりなのでした。こなしている量の割には、小説や映画で泣くことは滅多にない私ですが、なんだかこのシリーズには弱いようです。

 悟りきった老夫婦を地で行く麻奈美と京介の痴話喧嘩(?)も本作の大きなトピック。まったりベタ甘なこのふたりには読んでいて常に悶えさせられます。京介も大概だけど、麻奈実は麻奈実で早く告っちゃえば良いのに。鈍感男との関係性を変えるにはそれしかない。――まあ、ふたりともぬるま湯のような現状を享受しているようだから外野がとやかく言う話ではないけれど。
 ミステリ読み的には麻奈実のエピソードの伏線の張り方にも注目ですね。答えを予め提示しておきながら、それを真相と見抜かせないテクニックはなかなかのもの。この一連の騒動で京介の相談を受けた桐乃の「嫌われていると思っていた相手からのプレゼントはすごく嬉しいに決まってる」的な言葉が、冒頭の宅配便の場面にも掛かっていて、ぼんくらな語り部が伝えてくれない桐乃の本心を垣間見ることができます。
 で、ラストもシスコンと馬鹿にしつつも心底嬉しそう、という。イラストがなくとも、桐乃の満面の笑顔が十二分に見てとれました。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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2012年に読んだ小説の        ベスト5はこれ!!

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1.トリプルプレイ助悪郎(2007年刊)   2.名探偵に薔薇を(1998年刊)             3.化物語(2006年刊)          4.時砂の王(2007年刊)                  5.天帝の愛でたまう孤島(2007年)

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