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積読本は積読け!!

300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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相棒 Season 9 第10話「聖戦」


★★★☆☆

消費者金融の営業担当・折原が自宅に仕掛けられた爆弾で殺害された。犯人は妻の夏実と娘の旅行中を狙い、リモコンで爆弾を爆発させたらしい。容疑者として、12年前、折原のバイク事故で息子を失った寿子が浮上。しかし夫の病死後、パートをしながら質素に暮らす寿子に爆弾など作れるとは思えない。伊丹らは早々に寿子を容疑者リストから外す。一方、右京と尊は、犯人がリモコンを操作したと思われる現場で割れたビスケットを拾う。右京と尊は寿子の自宅を訪ねるが、お茶菓子に公園で拾ったものと同じビスケットが。さらに散乱する工具を確認し、右京らは寿子が犯人だと確信するが、犯行を裏付ける証拠が見つからない……。やがて折原の大学時代の友人・江上が容疑者として浮上。江上の自宅から爆弾で使用された物質も発見された。右京と尊の推理は間違っていたのか、それとも寿子が想像以上の知能犯なのか……?


 元日から『相棒』を見られる幸せ! おかげで『ペケ×ポン』の川柳、答えがわからず終いでしたが。
 正月の『相棒』SPといえば、毎年色んなミステリ的趣向を試みていますが、今年はテーマもシンプルに“完全犯罪”。年単位で入念な犯行計画を練り上げる犯人に特命係はいかにして挑むのか、という倒叙方式。事件に関係する人々それぞれに背景を与え、複数のドラマを1本の話に載せるマルチアングルさが古沢脚本らしい回でした。

 息子の病気や反抗期含め、“どこにでもありそうな家庭”が息子の事故死をきっかけに崩壊し、やがて母親が狂気に走った顛末を2時間10分丸々使って描いた今回の話はただひたすら重苦しく、正月気分をいっきに滅入らせてくれます(良い意味で)
 ただし些か物足りない。ミステリとしてはもうひと捻りふた捻りあって欲しかったです。

(以下、ネタバレあり)


 私が既にスレた視聴者だからなのか、クライマックスも安直なところに着地させたように感じました。彼女は紛れもなく“母親”だった、で括るのがどうにも綺麗すぎて。せっかくの正月SPなんだから、寿子が捜査を躱し切って完全犯罪を成し遂げるとか、折原の娘さんが真実を知って母親が留まった復讐を遂行するとか……もっと救いようのないラストにしても良かったかと。

 特に、江上のエピソードは“一母親”の表現として取り入れたのだとは思いますが、全体から見れば明らかに浮いており、必要のない部分だった気がします。今回の事件で最大の煽りを喰らったといって良い江上一家の物語内での配置が甘く、要素として殆ど生きていません。それこそ、江上のお姉さんが母親の最期を汚されたことに怒って寿子を刺してしまうなんて展開もアリだったと思います。その場合、人情部分は全斬り棄てになりますけど。

 江上関連の話で浮き彫りになったのが特命のふたりの考え方の差異。振り返ってみると Season 9 は右京さんの真相究明への揺るがぬ信念、真実を明かすことに対する固執ともいうべき頑な姿勢がクローズアップされています。これも『劇場版Ⅱ』の事件があったからだったんですねぇ。
 嘘といえば、確か Season 5 の「赤いリボンと刑事」で似たようなことがあったように記憶しているのですが、今回は警察官の矜持云々で断固として制止。その後のフォローもなく、右京さんのやり方には多くの視聴者が反感を持ったことでしょう。薫ちゃんと出会って軟化した右京さんの性格が、なんだか昔に戻ってしまった気すらします。

 今シーズンは右京さんと神戸君の対立も多いし、これは最終回あたりで決定的に決裂してもおかしくなさそう。それが「君は亀山君の代わりにはなれません」の意味であり、『相棒』の進むべきスタンスだと思う。杉下右京は人材の墓場、下に付いた者はことごとく警視庁を去る、ですよ。一回決別して、改めて神戸君が戻ってくるのは全然OKですが。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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